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遠い遠い君へ

[267]  くろ  2006-08-08投稿
「うん。もう佳奈とは関わるつもりは無いんだ。ゴメン。」

「わかりました。佳奈先輩には私から説明しておきます。」

「うん、ありがとう!!
 明日、楽しみにしてるよ☆
 なんか質問とかあったら、どんどん聞いて!!
 俺、頑張って答えるから。」

「はい。よろしくお願いします。」

はあ、なんて口から出任せ言っちゃったんだろう。

佳奈先輩にはなんて説明しようかな。
もし本当のこと話したら傷つくだろうな・・・。

晃輝先輩に相談すれば良いか・・・。

深く考えたりしているうちに朝になってしまった。

だるい体を起こし、用意をする。
今日はいつもより、髪型をしっかりセットした。

「いってきまーす。」

ドアを開けると、そこには真っ白な銀世界が広がっていた。

晃輝先輩、ちゃんと来れるかなー?

氷に足を滑らせながら、学校へ向かう。

一番最初にあったのは、親友の七海だった。
「おはよー!紅璃!!」

「おー!!おはよー!!
 雪すごいねー!!」

「そだねー。お、今日は晃輝先輩が来るから、
 髪型決まってるなー!!」

「ちょっ、七海!!汗」

そんな会話をしながら校門をくぐる。

校門の先には晃輝先輩が立っていた。
早すぎじゃないか・・・?

「あ、おはようございます・・・。」
カチカチになって挨拶をする。

「おはよう。 時間間違えちゃったかも笑」

先輩はお茶目だ。

七海は気を使ってか、私に耳打ちをした。
「紅璃!!上手くやんなさいよ!じゃねw」

七海はそう言うと、「先に失礼しまーす!!」と、
走って向こうへ消えてしまった。

「朝から元気だな。あはは。」

「そうですね・・・。」

校門から私の下駄箱まで凄い距離がある。
そして、私の下駄箱から音楽室までも距離がある。

晃輝先輩と私でその距離を二人きりで歩くなんて、心臓が飛び出てしまう。

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