デジログ使いと翁の鍵 第10ログ―寄生―
第10ログ―寄生―\r
今度は朝に目を覚ました零太の目に映ったのは、
誰もいない押し入れ。
ドアは開けっ放しで、中には抜け殻となった毛布がある。
「…ランザ?」
もしかして、勝手に外に出て行ったのか…?だとするとやばい。あいつのいやに長い金髪、左右の色が違う目、少し尖った耳。あれを見て普通の外人だと思う人間が何処にいる。そりゃあ余程の変人ならありうるだろうが。
「おーい…てめー朝飯抜くぞー…」
そう言いながら、可能性にかけて部屋を出て家の中をくまなく探すが、当たり前に見付からない。あくまでも当たり前なのでそう驚きはしない。彼はもう一度部屋に戻って来た。今日も学校でそろそろ出発しないと遅刻するが、そんな物を気にする様な人間がどうしてクラスメイトを半殺しに出来るだろう。
彼は最悪の場合を想定し、部屋の窓のカーテンを開き、外を見る。
「ラン―」
「呼びました?」
「うわあぁぁあ!?」
彼は窓の上の部分からぶら下がるように登場した。零太の反応を面白がってか、その後ランザはぶらぶらと横に揺れている。
「はー、はー…
てめえっっ、一回も戦闘してねーのに寿命が五年と七か月ぐらい縮んだぞ!」
「あはははっ…いや、いつもは乱暴な零太殿も驚きはするのかなと…」
「ったりめぇだボケが!俺を凍て付く心の持ち主みてーにいいやがって!!」
「違うんですか?」
「殺すぞ!」
あるていど怒鳴り散らして、零太はその場に座り込んだ。もう学校は一時間目の半ばだろう。
確か…現国だっけ。
「で…どうして外に出てた?」
「やだなあ…決まってるでしょう。零太殿を目標にしている輩を尾行してたんですよ」
「尾行?あー…そっか、結局はお前の為の修行だっけ…で、成果は?」
「はい。そいつは樫松高校の生徒だと…」
背筋が凍った。よりにもよってうちの学校だと?待てよ…今俺は遅刻してるが、友莉葉は先に行ってる筈だ。灰人は確か県内の高レベル校だったはずだし、まあ男だから丈夫だろう。俺と協力している事がばれて、危険なのは友莉葉だ。
「早く言えってんだ!今からダッシュで学校行くぞ!…って、お前はどうすんだ?姿を見られたら…」
「大丈夫です。ちょっと、左手出して下さい」
シュタッと警戒な音をたてランザは降り、零太は黙って手を出す。窓を挟み向き合っている姿は、まるで囚人の面会だ。もちろんこの場合の囚人は零太だが。
今度は朝に目を覚ました零太の目に映ったのは、
誰もいない押し入れ。
ドアは開けっ放しで、中には抜け殻となった毛布がある。
「…ランザ?」
もしかして、勝手に外に出て行ったのか…?だとするとやばい。あいつのいやに長い金髪、左右の色が違う目、少し尖った耳。あれを見て普通の外人だと思う人間が何処にいる。そりゃあ余程の変人ならありうるだろうが。
「おーい…てめー朝飯抜くぞー…」
そう言いながら、可能性にかけて部屋を出て家の中をくまなく探すが、当たり前に見付からない。あくまでも当たり前なのでそう驚きはしない。彼はもう一度部屋に戻って来た。今日も学校でそろそろ出発しないと遅刻するが、そんな物を気にする様な人間がどうしてクラスメイトを半殺しに出来るだろう。
彼は最悪の場合を想定し、部屋の窓のカーテンを開き、外を見る。
「ラン―」
「呼びました?」
「うわあぁぁあ!?」
彼は窓の上の部分からぶら下がるように登場した。零太の反応を面白がってか、その後ランザはぶらぶらと横に揺れている。
「はー、はー…
てめえっっ、一回も戦闘してねーのに寿命が五年と七か月ぐらい縮んだぞ!」
「あはははっ…いや、いつもは乱暴な零太殿も驚きはするのかなと…」
「ったりめぇだボケが!俺を凍て付く心の持ち主みてーにいいやがって!!」
「違うんですか?」
「殺すぞ!」
あるていど怒鳴り散らして、零太はその場に座り込んだ。もう学校は一時間目の半ばだろう。
確か…現国だっけ。
「で…どうして外に出てた?」
「やだなあ…決まってるでしょう。零太殿を目標にしている輩を尾行してたんですよ」
「尾行?あー…そっか、結局はお前の為の修行だっけ…で、成果は?」
「はい。そいつは樫松高校の生徒だと…」
背筋が凍った。よりにもよってうちの学校だと?待てよ…今俺は遅刻してるが、友莉葉は先に行ってる筈だ。灰人は確か県内の高レベル校だったはずだし、まあ男だから丈夫だろう。俺と協力している事がばれて、危険なのは友莉葉だ。
「早く言えってんだ!今からダッシュで学校行くぞ!…って、お前はどうすんだ?姿を見られたら…」
「大丈夫です。ちょっと、左手出して下さい」
シュタッと警戒な音をたてランザは降り、零太は黙って手を出す。窓を挟み向き合っている姿は、まるで囚人の面会だ。もちろんこの場合の囚人は零太だが。
感想
- 3096: 9ログの感想スペースのお返事、なるべくここにお願いします。作者 [2011-01-16]
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