デッド オア...?
「なぁ」
信が話しかけてきた。
「ん?」
「お前なら受かると思ってるぜ?俺」
「ホントに?」
私が確認すると、信は明るい笑顔と一緒に言った。
「お前はいつも誰と練習してると思ってんだよ?」
「…あぁ、そっか」
その自信に満ちた言葉に対し、私は変に納得してしまった。
「頑張れよ」
「うん」
私たちは笑った。
…次の日。
昇段審査当日。
たった一人で知らない地に試験のために赴く、と言うのは想像以上に緊張した。ふと手を見ると、今までに見たことのない程 震えていた。
「はは…情けない」
私は自分自身に苦笑した。いつも試合の時に緊張する後輩に喝を入れる自分が、ブルブル震えるだなんて…。
審査の最中は、もっと頭が真っ白になると思っていたのだが、自分でも驚くほど私は冷静だった。
…2つの試験に受かり、残るは1つ。
…最後の筆記試験。
「始めてください」
試験官の合図で、皆が一斉に用紙に書き込みだす。
…が。
(どうしよう、どうしよう…!!)
ここに来て、手の震えが再来したのだ。
字も震えて読めるものではない。だが試験終了の時間は、刻一刻と迫っている。
(書けない、書けないよぅ…!!)
涙目になった私の脳裏に浮かんだ、温かいあの人の笑顔。そして――
信が話しかけてきた。
「ん?」
「お前なら受かると思ってるぜ?俺」
「ホントに?」
私が確認すると、信は明るい笑顔と一緒に言った。
「お前はいつも誰と練習してると思ってんだよ?」
「…あぁ、そっか」
その自信に満ちた言葉に対し、私は変に納得してしまった。
「頑張れよ」
「うん」
私たちは笑った。
…次の日。
昇段審査当日。
たった一人で知らない地に試験のために赴く、と言うのは想像以上に緊張した。ふと手を見ると、今までに見たことのない程 震えていた。
「はは…情けない」
私は自分自身に苦笑した。いつも試合の時に緊張する後輩に喝を入れる自分が、ブルブル震えるだなんて…。
審査の最中は、もっと頭が真っ白になると思っていたのだが、自分でも驚くほど私は冷静だった。
…2つの試験に受かり、残るは1つ。
…最後の筆記試験。
「始めてください」
試験官の合図で、皆が一斉に用紙に書き込みだす。
…が。
(どうしよう、どうしよう…!!)
ここに来て、手の震えが再来したのだ。
字も震えて読めるものではない。だが試験終了の時間は、刻一刻と迫っている。
(書けない、書けないよぅ…!!)
涙目になった私の脳裏に浮かんだ、温かいあの人の笑顔。そして――
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