カバに恋する。5
「たーちゃん!何やってるのー?開けて〜」
ガチャ!
「…急に来るからビビった。散らかってるけど」
「おじゃましまーす」
窓際に置いてある金魚鉢。エリザベスにもあいさつしに行く。
「エリザベス〜元気してた?」
「あっ!!」
急にたーちゃんが大きな声を上げた。
「何?どうしたの?」
「あ…いや。エリザベスにエサやってなかったなぁって」
「も〜ダメじゃん!ちゃんとお世話してあげて…」
目が、合ってしまった。
金魚鉢越しに、ベランダに隠れていた女の人と、目が、合ってしまった。
その彼女の視線を遮るように、エリザベスがふよふよと泳いでいた。
「たーちゃん…この方、どなた?」
私は思いきり、にんじんやらタマネギやら、じゃがいも、カレールウなどなど、買ってきた材料を全部たーちゃんに投げつけてやった。
たーちゃんは黙ってそれを受け入れてた。
「エリザベスは私がもらってきます!」
金魚鉢を抱えて私は出ていった。
続く
感想
感想はありません。