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カバに恋する。10

[195]  ゆう  2009-11-13投稿

「ほんとにありがとうございました」

エリザベスを手に店から出ようとしたけど、エリザベスを見た瞬間…


また涙が溢れてきた。






「…すみません…やっぱりエリザ…この子、しばらくここに置いてもらうわけにはいかないですよね?」




「………いいですよ」

「!。ほんと?」

「…はい」

「…ありがとうございます」

今は、エリザベスを見るのがツラい。
ツラすぎる…。

「…名前…名前なんていうんですか?」

「あ、吉田恵美といいます」

「…金魚の…名前あるみたいだったので…」

「あ。えっと、エリザベスです。今年の夏祭りで…とった…んです…」

泣きそうになるのを堪えて説明した。

「…エリザベス……素敵な名前、もらったな…」
その人はそう言ってエリザベスに声を掛けた。

「あの…お名前は?」



「……川端…川端です」
「川端さん、ありがとうございます。また、エリザベスの様子を見に来ますから。よろしくお願いします」

そう言って私は店を後にした。



続く

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