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白い天使のうた (13)

[520]  宮平マリノ  2009-11-14投稿
彼はほとんど、読み書きが小学生から中学1年生レベルまでしかなかったのが、
奇跡的に癒されて、
中学、高校を卒業し、
福祉の専門学校に通うまでになった。

そんな中で、専門学校を卒業し、この施設に就職した先、
自分の力の限界にぶつかり、当惑していたという。

塚本さん達のようになることはできず、自分と塚本夫婦と何が欠けているんだ、と困惑していた頃、

受付で、施設見学とボランティアの申請をしている、
聖書を持ったひとりの男、
塚本優二と会った。

同じ名字に、聖書を持つ、という共通点。

塚本にとってみれば、特にどうでもよいことではあったが、
大資にとっては、今は亡き、塚本夫婦の面影、
希望の光を見た感じだった。

それで、あんなにもばったり出くわしたのか、とマイペースであまり他人のことを気にしない塚本は、
ようやくあれが偶然やたまたまではなく、
大資が追っかけるように、自分の周りについていたことを知る。

「きっと、今にこの施設の中での自分のやり甲斐を見つけますよ。」

塚本は励ますつもりでそう言ったが、
祈りの中で、大資が楽しそうに子供たちに笑いかける姿を見ていた。




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