携帯小説!(PC版)

雑草

[237]  森鏡  2009-11-14投稿
幼なじみのあいつは言った、
『女子が四つ葉探す理由がわからない』
幼なじみの亮。
いつも捻くれた事ばかり言う。
『そりゃあ願いがあるからよ』
『でも考えろよ。
四つ葉って言ったって雑草だぜ?
なんで雑草をわざわざ探してお願いしなきゃならねーんだよ』
まぁ ・・確かに雑草だが『それは・・女の子だからかな』
『・・理由になってねーじゃん(汗)』
『・・そだね』
沈黙が続く。
二人は幼稚園頃から一緒に居た。
その頃から亮は彼女(女子)が四つ葉を探す事に疑問を感じていた。
そして もうひとつ気になる事が。
『・・・なぁ』
『・・ん?』
『何を願うんだ?
その・・雑草に』
『・・』
また沈黙が続く。
『・・おい?』
『秘密』
『は?』
『あんたには絶対教えない!』
『はぁ?』
彼女は顔を赤くしてそのばから去ってった。
学校が夕日で紅く染まっている。
すると彼女が数メートル先で止まって、
『昔と変わらいよ、
私の願いは。』
亮は目を見開いた。
『・・なんだよ』

そういえば亮が幼稚園・小学生と、同じ質問をした。
すると彼女は
『亮が・・』
『ん?』
『隣でずっと笑っていられますように』
『となり・・?』
『うん
私のね・』
 亮はずっと一人ぼっちだった。
 両親は早くに事故で亡くなり身寄りもない。
ただ母のいとこがいたので引き取ってもらったのだ。
 そのいとこの家の隣に彼女が住んでいた。
彼女は亮の事情を知らなかったが、亮の淋しげな顔をみたら悲しくなり、
ただ笑っててほしいと想ったのだ。

彼女は想っていた。
『私はいいから亮は幸せに。別に私の隣じゃなくていいから。亮だけは幸せに。私の大切な人。たったひとつの腐れ縁。
たったひとつの関係。
例えその関係が崩れても。亮だけは』

そして彼女の願いを知った亮は。
『雑草。
俺はいいから。
優しい彼女に幸せを
腐れ縁だし。
唯一の・・』
 そして亮は雑草を踏んだ。
雑草はくたくたになりながらも立っている。
『叶えてくれよ。』
亮は一言呟いた。

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