この空が絶望に染まる、その前に 18 〜カナロア海賊の敗北〜
――アルゴー船内 談話室
「世界連合政府はね、
いろんな国や地域の
有力な人が集められ
世界平和のために働いてるんだ。
俺の国もね、軍事においては
有力な国だった。
俺の家系は代々その国の
軍の隊長を務めてて
父さんは政府でも
有力な人間だったんだ。
でも…父さんが死んで
今は兄さんが引き継いでる。
兄さんは父さんと同様に
カルフ様にその能力を認められて
それで今、俺らはこうして
旅にでてるんだ」
「カルフさま?」
ずっと黙って
ルカの話を聞いていたレンは
やっと口を開いた。
「世界連合政府平和部の
最も偉い人だよ。
まだ…俺は会ったことないけど
本当に素晴らしい人らしいんだ」
「ふーん」
レンは特に興味がない様子で
手元の本を閉じたり開いたり
もて遊んでいた。
すると、突然船内に
電子音のようなものが響いた
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