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ねぇ…大好きなのに。

[272]  春樹  2009-11-17投稿
「もしもし?」

春樹が電話に出た。

「春樹?亜弥彼氏と別れた」

私は、まるで何かから解放された様に、気持ちがスッキリしていた。

「ホントに?」

春樹が驚く。

「うん」

「なんて言ったの?」

「亜弥が別れたいって言ったらどうする?って言った」

その時、歩いている私の横を車が通る。

「何処にいんの?」

春樹が心配してくれる。

「今、歩いて帰ってるトコだょ」

私はすごく元気だった。

「何処?迎えに行くよ」

春樹は、すぐに私を迎えに来てくれた。

そして、もう朝の5時。

その日も仕事だった春樹は、今から寝たら、起きれないと言って、そのまま二人、車の中で8時頃まで話していた。

私が彼と別れた時の話しを、春樹は黙って聞いていた。

春樹は時々、横顔で微笑んでいた。

その話しが終ると、いつもの様に、春樹が私を、からかって遊んでいた。

そんな時間が流れるのは早く。

春樹が仕事に行く時間になってしまった。

春樹は私を実家に送ってから、仕事に行った。

「メールするね」

春樹はいつも別れ際、キスをしてから、必ずそう言った。

「うん」

私は、いつも笑顔でうなずく。

実家では、私の部屋が物置になっていた。

部屋に入り、少し気持ちが落ち込む。

途端に携帯が鳴った。

春樹からのメール。

「亜弥大丈夫?彼氏と別れて後悔してない?俺は、亜弥が彼氏と別れたって聞いて、すごい嬉しかったよ」

黙って私の別れ話を聞きながら春樹は、私の心を心配してくれていた。

「後悔してないよ頑張ってない自分は嫌だったし、あのままだったら、自分の人生適当に生きて行っちゃうトコだったと思うから、別れ無かったら後悔するトコだったと思う」

私の本当の気持ち。

その日の春樹は、私の事を心配し過ぎだと思う位、一緒に居てくれた。

お昼もわざわざ、私を迎えに来てくれて、急いで一緒にご飯を食べた。

春樹がしてくれる全てが、嬉しすぎて、私の気持ちは強くなり続けた。

【春樹が傍に居てくれるなら、何もいらない。もう絶対見えなくならないで】

私の、ずっと変わらない本当の心。

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