携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 遠い遠い君へ

遠い遠い君へ

[358]  くろ  2006-08-10投稿
やっとの思いで顔をあげ、
声を限りに叫んだ。

「先輩!!先輩!!許してください!!
 もう晃輝先輩には近付きません!
 だから許して・・・。」

途端に、先輩の力が緩む。
先輩の顔を見ると、いつもの優しい笑顔が浮かんでいた。

「そう・・。
 やっぱり紅璃は可愛い後輩だね。
 じゃ、晃輝先輩と私のこと、応援してね。」

「は、はい・・・。」

「じゃ、気を付けて帰って。」

そう言い残すと先輩はくるりと後ろを向いて、
帰ってしまった。

寒さと恐怖で震えが止まらない。
家は近くなのに、帰れない。
こんな姿親に見られたら、絶対何があったか
聞かれるに決まってる。
全部親に話せるわけない。

涙が出てくる。
気候はみぞれが混じっていきた。
寒さはなお更私を襲う。


「あ、紅璃・・・?」
誰・・・?
怪訝そうな顔で声の主を見ると、
そこには七海が立っていた。

「七海・・・。」
安心したせいか、涙がドッと溢れる。

「紅璃、どうしたの!?」
七海は私を抱きしめてくれた。
「さ、立って!こんなところで尻餅ついてたら風邪引いちゃう!」

七海は私の体を起こす。
「さ、ウチんちに来なよ。あったかいから。」

今日は七海の家に泊まることにした。
親には七海が上手く説明してくれた。

こんなとき、機転が利く七海には本当に憧れる。

七海は私に、ホットココアと毛布を用意してくれた。
「でさ、何があったの?晃輝先輩が何かしたの?」
少し怒った口調しなった七海。

「ううん、違うの。あのね・・・。」
私は洗いざらい全てを話した。

感想

  • 3174: 会話文の最後に句点はいらないね。 [2011-01-16]

「 くろ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス