カバに恋する。12
私はあれからもう3ヶ月、マンガ喫茶に通っていた。
もちろん毎日とかではなく、1週間に1回程度。
川端さんとよくマンガの話をしたり、テレビドラマの話をしたり、当たり障りのない話をいろいろするようになっていた。
「分かる分かる!あの最終回はありえないよね」
「…俺は太郎と花子に結婚してもらいたかったんですけどね…」
「だよね!」
川端さんは静かで暗い感じだけど、私の話をよく聞いてくれたし、マンガの話には口数も増えた。
4つ上ということもあり、お兄ちゃんみたいな存在になっていた。(少なくとも私はそう思ってる)
「川端さん、最近のオススメ何?」
「オススメ…」
「私が初めてここに来た時ギャグマンガ薦めてくれたよね」
私は笑いながら言った。
そう。私は笑っていた。
笑えるように、なってた。
何も聞かないで、川端さんはいつも私の話を聞いてくれてた。
きっと私が今笑えるのは川端さんのおかげでもある。
「川端さん、色々ありがと。…私、そろそろエリザベスを連れて帰れそう」
私はやっと決心できた。
続く
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