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悲愴の水使い?

[1260]  ROCO  2005-02-28投稿
「それで…書類には砂漠化の原因の究明及び改善と書いていますが、具体的にはどういった状態なのですか?」
サラは表情ひとつ変えずに質問した。それがますますアリスやカイを疑わせる。
「あなた、ホントに魔法使いなの?何か証拠を見せてちょうだい。」
するとアリスの質問にサラはやはり無表情に答えた。
「この承認書が証拠。」
「そんな紙きれ信用できるか。」
「なら私にどうしろと?」
カイはうぅっと黙りこんだ。
その時ようやく町長が口を開いた。
「カイ、もういい。サラさんでしたか…あなたがこの砂漠化をなんとかしてくれれば皆あなたが魔法使いだと信じるはずです。こちらから要請したのに、こんなことになって申し訳ない。」
「気にしないでください。私は砂漠化を改善するために来たんです。そのこと以外に口をはさむつもりはありません。…では調査を始めるので今日は失礼します。」
一礼してサラはその場を立ち去った。
「なんなんだあの女は…眉ひとつ動かさずに会話しやがって。」
「そうね…私の魔法使いのイメージと違うわ。なんかこう…白いヒゲに黒いマントでイヒヒって言ってそうな感じ。」
「なんじゃそりゃ。」
「でも、ホントにあの子が魔法使いならこの土地を捨てなくていいのね。」
「俺は信用してねーけどな。それにもし魔法使いだったとしても上手くいくかわからない。」
しかし、カイはともかくアリスも町長も少なからずの望みを持っていた。
それから毎日町のいたるところでサラを見るようになった。
ある時は地面に手をあてていたり、またある時は道ばたの草をながめていたり…。
「毎日毎日ご苦労さん。」
ある日カイが皮肉たっぷりに声をかけた。
「何か用?」
サラは少しも気にとめなかった。そしてやはり無表情だ。
「いや、毎日毎日あっちこっちで見かけるからさ、俺には何やってんのかさっぱり分からん。」
「分からなくて結構よ。」
「……。」
そんな言い方ないだろうっと内心少し腹がたった。
カイが黙って立っているとサラがその場に座りこんだ。
「なんだよ。」
「ここはいつから砂漠化がすすんできたの?」
「1年ぐらい前からかな…。」
「そう。」
そこでまた会話がとぎれた。
なんだ居心地悪いな、とカイは何か話題を考えた。
「お前なんで魔法使いなんかやってんだ?」
「……」
返事はない。
なんだやっぱり嘘なのか、とカイは思った。
「…私は魔法使いだけど約立たずなの。」
その時サラの瞳が曇った。

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