奈央と出会えたから。<403>
『森宮サンよ、
テメェが、今日のFM生放送番組にゲスト出演するコトを、アヤカから聞いていた俺は、
自分の息子の悪事を、実は知っていながらも、
シラを切り、隠ぺいしようと考え、
更に、聖人の処分にさえ口出しし、
校長に、停学処分を強要した事実について、
テメェの、その汚ネェやり方を許すコトが出来なかった。
ただ、テメェの息子を、当初の計画では、ココへ呼ぶ予定ではなかったのだが、
急きょ、やり方を変更した。
どうせなら、2人同時に制裁を受けてもらおうと考えたのサ。
ま、テメェら親子が今後、どう心を入れ替えて行くのかを、
俺らは、しばらく見させてもらうゼ。』
京谷さんが、森宮親子に言いたかったコト――
それは、
真実を曲げようとするモノに対して言いたかった、
今のキモチ――
それは、
真実を曲げたままのモノに対して言いたかった、
過去のキモチ――
妹さんに対する無念の思い――
京谷さんの言葉が、
シーンと静まり返った控え室内に響き渡る。
その中で、
森宮が時々、しゃくりあげている――
何とも、かわいそうな親子――
不謹慎にも、
そんな思いが、あたしの胸をよぎったそのトキ――
放心状態だと思われた森宮の父親が、
突然、体をプルプル震わせ始めた。
『‥‥フッ‥‥‥ハハハ‥‥ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ‥‥‥―――』
うずくまったまま失禁した息子の隣で、
ひざまずいたままの、森宮の父親は、
突然、狂った様に笑い出したんだ――
感想
感想はありません。
「 麻呂 」の携帯小説
- 奈央と出会えたから。<434>
- 奈央と出会えたから。<433>
- 奈央と出会えたから。<432>
- 奈央と出会えたから。<431>
- 奈央と出会えたから。<430>
- 奈央と出会えたから。<429>
- 奈央と出会えたから。<428>