「あの…普段から、そんな感じなんですか?」
「そんな感じっていうと？」
「静かなってゆうか…表情変えないってゆうか…」
「そんなことないよ…そう見えてるの？」
「ええ…」
麻由の不安げな表情に気づいた哲彦は、すぐに謝罪した。
「ごめん。自分じゃそんなつもりはないんだけどさ。ただ、どうすればいいか、わからなくて」
「こういうところはじめてなんですか?」
「まあね…。友人に誘われてね。まあ、いろんな世界の人達と話をしてみたいと思ってたしね」
「お友達は、何度もいらっしゃってるんですか?」
「いや、前回はじめてで、俺が今回来たんだよね」
「そうですか。どうですか？この世界は？」
「そうだなあ…まあ、俺なりに友達ができればいいかな
…俺も友人も、どっちかってゆうと、
そんな感じだよ」
と、淡々と語る哲彦に、麻由は他の客にはないものを感じていた。
どちらかとゆうと、麻由もそんなにテンションの高い方ではない。
経済的な理由もあって、この店にいるのだが…
ビジュアル的に人気があるので、お店側も彼女を認めているのだが…
「あの…私、性格的には、あなたに多少似ているかもしれません。本当は、うまく対峙出来ないってゆうか…」
「いいよ。それで気が楽になるんなら…別にかしこまってもらっても、やだしさ。素のままでいてもらってもかまわないよ。気使わないでいいからさ…」
それを聞いて、麻由は肩の荷が降りたような気がした。
「ありがとう…なんかリラックス出来て嬉しいです。これからも来てもらえるかな？」
「まあ、関東の人間だから、そんなに頻繁に来れないけど、定期的にこっちに来るよ」
「ありがとう」
「それと条件が１つ」
「なんですか？」
「俺の前では、もっと人間くささを出していいよ。それだけ」
麻由は、そんな哲彦の言葉に感謝していた。
…それから、閉店まで、２人は楽しい会話とゆうよりは、お互いの腹の中にある本音部分を語り合っていた。
ちなみに義人は、経済的なこともあり、２時前にひきあげていたのだが…

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