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子供のセカイ。99

[374]  アンヌ  2009-11-19投稿
「ふーん、なるほどなぁ……。」
話をすべて聞き終わった後、耕太はあごに手を当てて呟いた。耕太が至極納得のいった、という顔をしているので、美香は不思議に思って聞いた。
「何がなるほど、なの?」
「いや、あいつの言ってたことは正しかったんだなぁ、と思って。『君達には道が必要だから作ってあげるよ』って、何のことかと思ったけど、そういうことか。」
王子はぽかんとしている。ジーナは怪訝そうに眉を寄せ、ホシゾラは無表情だった。美香は呆れてため息をついた。
「ちゃんと説明してくれないと、何のこと言ってるのかわかんないわ。」
「言っただろ、“闇の小道”で怪我してた理由については、後で話すって。オレはお前が来るまで、ずっと戦ってたんだ。なんかよく分からない奴がゲームを持ちかけてきて、もし勝ったら飯やら何やら必要なものをくれるっていうからさ。剣を渡されて、ずっとそいつと試合してた。気まぐれに現れちゃ消える奴だったけど、良い奴でさ。結局一回も勝てなかったけど、毎回飯を置いていってくれたんだ。それが急に現れなくなったから、腹減りすぎて限界で倒れてたわけだけど。」
「……ありえないわ。“闇の小道”と触れ合えるのは、今、覇王と支配者と番人くらいだけど、彼らがそんな親切をするようには思えないし……。」
ホシゾラの不安そうな様子に、美香は助け船を出してみた。
「でも、舞子なら耕太を助けようとするかもしれないわ。幼なじみだし、昔は仲が良かったんだもの。」
「いや、あれはたぶん舞子じゃない。もっとずっと小さな子供だった。それにすごい早さで剣を扱う様子から見て、かなりの手練れだと思う。真っ暗だったから背がすげえ小さいことしかわからなかったけど。」
「それで、そいつがどうしたんだ?道がどうとか言っていたが。」
ジーナが苛々したように先を促すと、耕太はちょっとびくっとしたが、すぐに真顔になって続けた。
「そいつが、道を用意してくれるって言ったんだ。“生け贄の祭壇”の外に用意しておくから、早く“子供のセカイ”の中心部に来いって。」
「中心部ってラディスパークのことよね?」
「じゃあその道を行けば、すぐにラディスパークにたどり着けるってこと?」
「だが、そんな正体もわからないような奴を信頼していいのか?」
皆は口々言い合った。それからしばらく話し合いは続いた。

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