(仮)永遠の絆…最後の愛…7-2
徹は子供のように喜んでいた。
真理は少し呆れたような表情で見ていたが、内心は嬉しかった。
そう言う所が浦道 徹の憎めない所で好きな所だったからだ。
小田 真理と浦道 徹の出会いは真理が勤めている会社と浦道 徹の建設会社が取引をしていた事から始まる。
入社して間もない頃、真理が親会社の徹の会社からの発注を間違えてしまい電話で物凄い剣幕で怒られた。
その時、お互いの会社に何千万という損失が出たのだから怒られても仕方はなかった。
いや、まだ電話で怒られただけだからマシだった。
真理も損失額が分かっていたし、もちろん自分の上司達からも、酷く怒られたので、かなり落ち込んでいた。
翌日、会社の社長と上司と真理で徹の会社へと謝罪に出掛けた。
また怒られると思っていた真理は、かなりドキドキしていた。
しかし意外にも徹は「この前は怒鳴り過ぎて悪かった。」と笑顔で許してくれ、食事まで御馳走してくれた。
それから暫くすると真理と徹だけで食事をするようになっていった。
真理が帰宅した時、既に 丈 が家に居た。
電気がついていなかったので真理は 丈 の存在に一瞬ビックリして動揺したが 丈 が具合が悪そうに横になっていたので「あれっ?」と思った。
丈 の具合が悪いのは演技ではなかった。
帰って来る途中、急に具合が悪くなりフラフラになりながら、やっとの思いで帰宅したのだ。
そのまま倒れ込むように横になった所へ真理が帰ってきたのだった。
真理「どうしたの?」
丈「急に具合が悪くなって…」
真理「大丈夫?病院に行く?」
丈「大丈夫だよ。暫く横になっていれば良くなると思うから。」
真理「ご飯は?ご飯は食べれる?」
丈「…分からない。」
真理「じゃあ何か作るね。」
そう言って真理はキッチンに向かった。
丈 が先に帰宅していたのでビックリはしたものの内心はホッとしていた。
丈 の具合が悪いので、あまり顔を合わせなくてイイと思ったし会話も、あまりしなくて済むと思ったからだ。
つづく
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