air?
レックスはフラーの話しを聞き頭の中が真っ白になっていた。 「だからその子を返してくれないか。その子は我が国の大事な兵器なんだよ。」 「なんで…そんなことを…」 レックスの声は怒りのあまり震えていた。 「あぁ〜面倒くさい子だね君も、地上は地下とは違って戦争をやってるんだ。その子に国の命運がかかってるんだよ。」 フラーがレックス達のほうに歩いてきた。 レックスは必死に立ち上がった。だがレックスの体はすでにボロボロになっていた。 「フィーは絶対渡さない…」 レックスはゆっくりと剣を構える。フラーも剣を抜き構えた。 レックスは走り出しフラーに切りかかった。 だが、キィンという金属音とともにレックスの剣は宙を舞った。 レックスは尻餅をついた状態でフラーを見上げている。 「大丈夫、一気にやるから痛みは感じないよ。」 フラーが剣を振り下ろそうとしたときだった。 レックスの前に突然男が現れフラーの前に立ちはだかった。 フラーとその男はしばらくにらみ合った。 「…ドラゴンスケイル(竜の鱗)と一対一でやるのは気がのらないなぁ…」 フラーはそう言うと去っていった。 「あ、ありがとう…あんたのおかげで助かったよ。」 とレックスが礼を言うと男は振り返った。 男はかなりの長身で長めの黒髪と銀色の目が特徴的だった。 「…あんた、ドラゴンスケイルなのか?」 レイがヨロヨロと腕を押さえながら歩いてきた。 「ドラゴンスケイルって何だよ?」 ハウィーも足を引きずりながらレックスのところに歩いてきた。 「竜人のことをそう呼んでいる。その名の通り竜人は怒ったり興奮したりすると体に鱗のようなものができるんだ。」 レイは息を切らしながらも説明した。 「ドラゴンスケイルは分かったけど竜人って何だよ…?」 「地上にいる種族の一種だよ。だがかなり数が少ない、私も見たのは初めてだ。」 レイは説明し終わるとその場に座りこんだ。
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