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虫の知らせ 前編

[385]  三毛猫  2006-08-10投稿
私は四歳くらいのころ
弟ができた
弟は生まれつき
障害を持っており
親は病院に付きっきりだった
私は幼稚園の頃から自炊をよぎなくされた
子供のころは怨みに思っていた
祖父と祖母は別に住んでいたが 様子を見に
よく足を運んでくれた
私にとって二人は親がわりになっていた
小学生のころからやくざ事務所に遊びに行くようになり
体を張らない悪さを何回やったか 自分でもわからない
でも祖母祖父のまえでは
よく出来た孫を演じていた
酒もタバコも二人には隠していた
私も堅気の仕事につき
弟も手に職をもち人生のパートナーとも巡り逢えた 私と母達は心から泣いて喜んだ
私も結婚をし娘が一人生まれた 人生最良の日だった
ある日祖父に老眼鏡を買ってあげようと調べてもらった
すると目の状態が悪く病院に行くように進められた
祖父を検査に連れていくとなぜか いろんな検査に切り替わった
前立腺癌だった
私は涙が止まらなかった
もう少し娘が大きくなるまで生きていてほしい

手術は成功した
私は病院に通い
いろんな話しをした

しばらく私は仕事が忙しく祖父に会いに行けなかった

私はこの時のことを今でも後悔している
癌が再発し胃袋の八十%が癌におかされ
膵臓 肝臓 腸 に転移が認められた
・・・・手遅れだった
痛みを和らげるため
足元を見てくる 高いフコイダンも買い いろんな健康食品を買った
祖父はだんだん物事を把握出来なくなった
「おじいちゃんの前で泣いたらだめよ」
母に言われた
頭ではわかっているけど
勝手に涙が溢れてくる
祖父の顔は三ヶ月前とは
別人になっていた
私は出来るだけ祖父に会いにいこうと思っていたが なかなか行けなかった いや 疲れに対して
行きたくない気持ちを
自分勝手に美化していた
親戚が代わる代わる
祖父に会いにきていた
私は休みの日に会いにいくことにした

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