スカバンburn!! 77 〜慶太郎の考え〜
「例えば…俺がね、
なんかの賞をとったとして、
でもそれを見たり聞いてへん人は
そんなん知らんやん。
もし知ってたとしても
それが小さい賞なんか
すごい賞なんかわからへん。
俺がその賞を、
めっちゃ努力して手に入れたのか
簡単に手に入れたのか
全て話さなわからへん。
自分のことをずっとそばにいて
見てる人なんておらん。
知らん人は知らん。
ずっと側で一緒に
おったわけでもない加藤が
俺の気持ちとか
そんなん知らんのは当たり前。
それに…あいつに簡単に
知ってもらえるほどの
気持ちじゃないから。
…俺のドラムに対する気持ちも、
夢に対する気持ちも。」
慶太郎は強くスティックを
握り締めて
ただまっすぐ先を見つめた。
「あんたが言い訳とか
しない気持ち、
分かった気がする。
でも、だからこそ
なんか…嫌やねん。
加藤が勝ったように
思ってんのが。
うちはまだ、あんたと
付き合いは短いで?
でも、あんたの気持ちの強さは
充分伝わってる。
だからあんたの気持ち、
あいつが知らんのむかつく。」
慶太郎は黙って
光希が頬を膨らますのを
見つめた。
やがて、ふっと笑うと
立ち上がった。
「じゃあさ、ついてきてや」
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