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時代(とき)を超えた青春2

[491]  椿  2005-12-05投稿
彩は大きな木に寄りかかって寝ていた。 耳から鳥のさえずり、葉のざわめきが聞こてきた。居心地は良いが何か不思議な気分を感じた。誰かが鳥の声よりも大きくざわめいている。だんだんその声は大きくなっていった  
「うるさいなぁ…」 彩はゆっくりと目を開いてみた。
彩の目の前には、今まで見たことのない本物のちょんまげを結った少年達が5、6人彩を見つめている。
「えっ!な、何!?」「お主、妙な格好しているな(笑)!」 少年の一人が笑い飛ばした。一斉に他の少年達も笑いだした。 「何笑っているの!?この格好の何がおかしいの!学校の制服なんだけど!」 「お主の格好の方がおかしいぞ(笑)」 少年の一人、飯沼貞吉が笑いながら話した。彩は怒り出すと頭が混乱してしまう。 冷静に考えると、自分の方がおかしい事がやっと分かった。 彩は少年に問いかけた。 「ここってもしかして…会津?」 「そうさ、俺達の国、会津藩だっ!ところでお主は何者なんだ?」少年、篠田儀三郎が彩に言った。 「あ、あたし…どうやら未来から来ちゃったみたい!」 彩は驚きをあらわにした。 「未来!?」 少年達の方がもっと驚いたようだ。 「今は何年なの?」 「慶應4年、徳川慶喜様の世だっ!」 間瀬源七郎が答えた。「あ、あたしが来た年は2005年だから…ひゃ、137年前!」「えぇー!!」 「あたし、彩っていうの!宜しくね!年は15!」 「俺は、鈴木源吉、年はあまり変わらないんだな!16だ!」
「俺は間瀬源七郎!年は17だ!婚約者もいるんだ!」「へぇーその年で!」…彩は気付いていなかったが、木の影で誰かが彩を見つめていた―。その人物の心臓の鼓動は高なっていた… 続く

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