魔女の食卓 46
手紙には、こう書かれていた。
『さようなら
あなたが本当に
愛したのは
私ではなく
私の料理たち
そして私も
私の料理たちも
あなたを幸せにする事さえ
出来ないの
短い日々でしたが
私には本当に楽しく
夢のような思い出が
いっぱいです
私はもう
おなかいっぱい』
彼女を捜さなくては!
僕には彼女が必要だ。
石崎武志は表に飛び出すと、車まで走った。
そして、車のドアに手をかけたところで、彼は止まった。
いったい、どこを捜せば…
見当さえつかない。
いったい、この広い世界中の、どこを捜せばいい。
何か手掛かりは…
彼女の行くあては…
彼は必死に考えた。
しかし、何もない。
何も思い付かない。
彼女の事を、何も知らない。
…そもそも、彼女は何者だったのか?
石崎武志は、その場にガックリと膝まづいた。
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