如月にさようなら
「人ってさ、生きてから死ぬまで何回恋して、何人愛せるんだろうね」
長い雪路は足を前に出す度に、ギュッギュッと音色を奏でる。
それは独りの少女の足から奏でられる音色だった。
不均等で不均一に、耳にタコが出来る程に聞き慣れた音の出所をマジマジと見つめる僕は、端から見ても不謹慎な行動をしてるとは自覚してるのだけど。
だけど……見つめるしかなかった。
キサラの足跡も――。
足音も――。
足そのものも――。
それはまるで日向を探す猫のように。
火の中に飛び込む虫のように。
――魅せられていた――。
長い雪路は足を前に出す度に、ギュッギュッと音色を奏でる。
それは独りの少女の足から奏でられる音色だった。
不均等で不均一に、耳にタコが出来る程に聞き慣れた音の出所をマジマジと見つめる僕は、端から見ても不謹慎な行動をしてるとは自覚してるのだけど。
だけど……見つめるしかなかった。
キサラの足跡も――。
足音も――。
足そのものも――。
それはまるで日向を探す猫のように。
火の中に飛び込む虫のように。
――魅せられていた――。
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