カバに恋する。最終話
「なんで…そんなこと、言うの?」
私は泣きそうになるのを堪えて、震える声で聞いた。
「…信じられないからです。こんな、俺のことを好きなんて…」
「こんななんて言わないで!」
とうとう私はボロボロと泣き出していた。
「川端さんが今まで会ってきた人たちがどんな人たちだったかなんて知らないよ!…私は川端さんが好きなだけ。暖かくて、優しくて、いつも一緒にいるとホッとできて、日溜まりみたいな川端さんが好きなだけだよ…」
涙を拭いながら、一生懸命、川端さんの心に届くように気持ちをぶつけた。
「……本当…なんですか?」
「本当…だよ」
急に川端さんの顔が赤くなっていった。
気持ち、伝わった。
私はみんながカバと呼ぶその人に、恋した。
END
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