ロストクロニクル9―3
いくら怒鳴りつけられても、分からないものは分からない。チェロは黙って顔を伏せることしかできなかった。
「パットさん。分からないものは仕方ないじゃないですか。とにかく、今はここから出ないと」
シャープが優しく言い聞かせた。
「よし!出ると決まったら急ごうぜ。こっちだ」
「そういえば、チェロはどうして牢に入れられてたんだ?」
複数ある城の裏口のひとつから出てきたドローは、何気なくチェロに聞いてみた。
「それは・・・」
とても話しにくそうに顔をしかめた。
「いや、嫌なら無理して話さなくてもいいけど」
「いえ、いずれ知れることです」
決心したように口元を引き締めた。
「皆さん」
チェロは国民の前で演説する時のように三人の注目を集めた。
「この国は今・・・」
息を整え、声を絞り出す。
「この国は今、皆さんが思っていらっしゃる以上に遥かに大きな危機に頻しているのです」
シャープ達にはその言葉の意味が分からない。
「これは、ただのルパスとパラスの戦いではないのです」
チェロは一人一人の目をしっかり見つめた。
「ちょっと待って下さい!それは、どういう・・・」
チェロは話を続けた。
「私たちはウェイト並びにタクトの二名に木彫りの不死鳥の探索を命じました。ですが、それはカモフラージュなのです。全てはルパスの為の・・・」
「どういうことだ!」
今にもチェロに飛びかかろうとするパットをドローが必死で抑えた。
「落ち着けおっさん!話しがまだ済んでない!俺には何のことだかさっぱりだ。けど、今はとにかくこのパラスが危ねぇんだろ!だったら今は黙ってチェロの話を聞けよ!」
パットはドローの腕を払うと腕を組み、話の続きを促した。
「私たちパラスは、戦わずして負けているのです。なぜなら・・・」
チェロは懐から木彫りの不死鳥の王冠を取り出した。
「・・・全ては、始まらずして終わっているのです」
「なるほど、お前達王族は木彫りの不死鳥を奪われたふりをしてタクト達を送り出したんだな」
パットは静かに聞いた。
「はい。私たちに勝ちはないのです」
「なぜ、こんなことをするんですか。それに、どうしてタクトさん達を探索に出したんですか」
今度はシャープが口を開いた。
「パットさん。分からないものは仕方ないじゃないですか。とにかく、今はここから出ないと」
シャープが優しく言い聞かせた。
「よし!出ると決まったら急ごうぜ。こっちだ」
「そういえば、チェロはどうして牢に入れられてたんだ?」
複数ある城の裏口のひとつから出てきたドローは、何気なくチェロに聞いてみた。
「それは・・・」
とても話しにくそうに顔をしかめた。
「いや、嫌なら無理して話さなくてもいいけど」
「いえ、いずれ知れることです」
決心したように口元を引き締めた。
「皆さん」
チェロは国民の前で演説する時のように三人の注目を集めた。
「この国は今・・・」
息を整え、声を絞り出す。
「この国は今、皆さんが思っていらっしゃる以上に遥かに大きな危機に頻しているのです」
シャープ達にはその言葉の意味が分からない。
「これは、ただのルパスとパラスの戦いではないのです」
チェロは一人一人の目をしっかり見つめた。
「ちょっと待って下さい!それは、どういう・・・」
チェロは話を続けた。
「私たちはウェイト並びにタクトの二名に木彫りの不死鳥の探索を命じました。ですが、それはカモフラージュなのです。全てはルパスの為の・・・」
「どういうことだ!」
今にもチェロに飛びかかろうとするパットをドローが必死で抑えた。
「落ち着けおっさん!話しがまだ済んでない!俺には何のことだかさっぱりだ。けど、今はとにかくこのパラスが危ねぇんだろ!だったら今は黙ってチェロの話を聞けよ!」
パットはドローの腕を払うと腕を組み、話の続きを促した。
「私たちパラスは、戦わずして負けているのです。なぜなら・・・」
チェロは懐から木彫りの不死鳥の王冠を取り出した。
「・・・全ては、始まらずして終わっているのです」
「なるほど、お前達王族は木彫りの不死鳥を奪われたふりをしてタクト達を送り出したんだな」
パットは静かに聞いた。
「はい。私たちに勝ちはないのです」
「なぜ、こんなことをするんですか。それに、どうしてタクトさん達を探索に出したんですか」
今度はシャープが口を開いた。
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