ロストクロニクル9―4
「無用な血を流すことを防ぐ為です。このまま戦うと私たちの敗戦は目に見えているのです。ウェイトさんとタクトさんを行かせたのは、どちらも優秀な騎士の息子達だからです。少しでも見つける可能性を上げる為に」
これが、シャープの問いに対する答えだった。
「待って下さい。木彫りの不死鳥は奪われたふりをしたんじゃないんですか?」
「正確に言うと奪われたふりではなく、奪わせたのです」
「でも、不死鳥を使えばルパスの侵入を防げるんじゃないですか?」
チェロは首を横に振った。
「国王陛下は不死鳥を信じることが出来なかったのです。そして、パラスはルパスに全面降伏することにしたのです」
「全面降伏だと!」
パットが声を荒げた。
「これも国民の血を流すことを防ぐ為なのです!」
「バカ言え!どうして国王は不死鳥を信じないんだ!」
「分かりません」
「また、分からないか!そうして、逃げていても」
「逃げてなんかいません!」
「やめろよ!そんなことしても意味が無いことぐらい分かるだろ!」
二人を止めたのはドローだった。
その時
「なんだ?」
「オーケスの住人に城への召集を掛けていたのです。今、私が申し上げたことを国王自ら伝える為に」
オーケスの住人達が続々と城へ向かってきた。
そして、中へ入っていく。
「まずい!中は駄目だ!」
ドローとシャープは慌てた。
「どうしてですか?」
「何言ってんだ!ロビーにはムシがいるだろ!」
チェロの顔から血の気が引いていく。
「知らなかったのか?」
「はい。そういえば、私が国王に反抗して捕まった時にもムシがいました!」
姫様にも伝わっていない真実がこの国には隠されている。シャープはそう確信した。
「姫、どうして国王に反抗したんだ」
パットがチェロの目を見た。
「私は、国王に不死鳥を信じるよう強く要求致しました。そして、国王の機嫌を損ねてしまったのです」
「それで、あの牢に・・・」
パットはチェロの肩を掴んで言った。
「なぁ、もし姫が王の座についたら、不死鳥を使ってこの国を守ってくれないか?」
パットの目は最後の希望にすがるように見えた。
「もちろんです。私にとっての最高の結末は、この戦いを止めることですから」
チェロは力強く答えた。
パットはそれを聞くとチェロに笑みを溢した。
これが、シャープの問いに対する答えだった。
「待って下さい。木彫りの不死鳥は奪われたふりをしたんじゃないんですか?」
「正確に言うと奪われたふりではなく、奪わせたのです」
「でも、不死鳥を使えばルパスの侵入を防げるんじゃないですか?」
チェロは首を横に振った。
「国王陛下は不死鳥を信じることが出来なかったのです。そして、パラスはルパスに全面降伏することにしたのです」
「全面降伏だと!」
パットが声を荒げた。
「これも国民の血を流すことを防ぐ為なのです!」
「バカ言え!どうして国王は不死鳥を信じないんだ!」
「分かりません」
「また、分からないか!そうして、逃げていても」
「逃げてなんかいません!」
「やめろよ!そんなことしても意味が無いことぐらい分かるだろ!」
二人を止めたのはドローだった。
その時
「なんだ?」
「オーケスの住人に城への召集を掛けていたのです。今、私が申し上げたことを国王自ら伝える為に」
オーケスの住人達が続々と城へ向かってきた。
そして、中へ入っていく。
「まずい!中は駄目だ!」
ドローとシャープは慌てた。
「どうしてですか?」
「何言ってんだ!ロビーにはムシがいるだろ!」
チェロの顔から血の気が引いていく。
「知らなかったのか?」
「はい。そういえば、私が国王に反抗して捕まった時にもムシがいました!」
姫様にも伝わっていない真実がこの国には隠されている。シャープはそう確信した。
「姫、どうして国王に反抗したんだ」
パットがチェロの目を見た。
「私は、国王に不死鳥を信じるよう強く要求致しました。そして、国王の機嫌を損ねてしまったのです」
「それで、あの牢に・・・」
パットはチェロの肩を掴んで言った。
「なぁ、もし姫が王の座についたら、不死鳥を使ってこの国を守ってくれないか?」
パットの目は最後の希望にすがるように見えた。
「もちろんです。私にとっての最高の結末は、この戦いを止めることですから」
チェロは力強く答えた。
パットはそれを聞くとチェロに笑みを溢した。
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