携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> desteny??

desteny??

[239]  meeco  2009-12-02投稿
タクシーの車中から、流れる景色を見ながら、色々な事が頭の中を廻った。

淳と歩いた、大通り―\r

淳と入った、洋服店―\r

それら全てが目に入る度に現実から逃げたい気持ちになった。

私がこの何年かを、過ごして来られたのは、淳が居たからだった。中川と逢う毎に、荒み、傷付いた身体と心を癒してくれたのは、淳だった―\r

つい、一ヶ月前に、やっと初めて、私が汚れた事を淳に打ち明ける事が出来たのに―\r

何故、どうして―\r

現実を受け入れられ無かった。

タクシーは、恵比寿の駅から直ぐの、大学病院前でハザードランプを点滅させ、停車した。
「此処で良い?」

愛想の無い、運転手の男性の声で、私は、一気に、現実に引き戻された―\r

「はい・・・、此処で。」

私は、表示された料金を支払い、タクシーを降りた。

病院に入ると、正面に受付が有った。

「あの・・・。先程、救急車で搬送された、山上淳は?」

受付に立って居た女性は、淡々とこう言った。

「失礼ですが、御家族の方でいらっしゃいますか?」
「・・・、いえ・・・。家族では無いんですが、連絡が入ったもので。」

「そうですか・・・。」

受付の女性は、手元に有った、ファイルらしき物を捲りながら、続けた。

「ICUに、山上淳さんと言う方が、入られてますが、現在は、面会謝絶になっておりますので・・・。御家族以外の方は・・・。」

よくドラマ等で聞く、決まり文句を聞き、肩を落とし掛けた時、向こうから、聞いた事の有る声がした―\r

「香里さん・・・!!」

声を掛けてくれたのは、淳の彼女の七星だった。

「あっちゃんは?何処?」

私は、必死で七星の両肩を揺らした。

「あっちに、ICUが有って・・・、淳さんは、今そこに・・・。」

小走りに、ICUへ戻る、七星の後を私は必死に追った。
『面会謝絶』

ICUと表示された部屋の前には、札が掛っていた。

「香里ちゃん・・・?久し振りね。」

白い、病院の通路の床を伏し目がちに見詰めて居た私の耳に、聞いた事の有る女性の声が届いた。

「来てくれたの・・・?淳、喜ぶわ・・・。」

白い床から、見上げた先には、高校生の時以来、逢って居なかった、淳の母親が立って居た。

「おばさん・・・。あっちゃんは?あっちゃんは・・・?」

「ちょっと、良い?香里ちゃんに、話が有るの・・・。」

淳の母親は、私の肩に右手を乗せると、手招きし、少し離れた場所の固いソファーに腰掛ける様、促した。

感想

感想はありません。

「 meeco 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス