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ラッキーストライク

[232]  にっくん  2009-12-03投稿
硬く冷たい真っ黒なレールをずっと進んできた。その先にある世界を信じて。今まで一度だってハミだしたことはないさ。

ただレールの先は崖だっんだ。

俺は不倫した妻を刺していた。腹を胸を顔を何度も何度も何度も。
「夢か・・」
びっしょりと冷たい汗をかいて目が覚めた。ベットの脇にある棚の上から手探りでタバコとライターを取り、火を着ける。
「ふぅぅ、くそっ」
隣で小さく寝息をたてている妻を見た。妻の名はミサ子という。ミサ子は不倫などしていない。それどころか、いつも甲斐甲斐しく俺を愛してくれる。
しかし結婚してから同じ夢を何度も見ている。
「よぅしっ」
不意に寝ているミサ子のパジャマのズボンと下着を一緒に脱がして、濡れていないアソコに俺のいきり立つモノを無理矢理に突っ込んだ。
「いやっ、何?痛い」 ミサ子が起きて俺を見た「すまん起こしちゃったかね、今から君を殺すのさ」俺はゆっくりとミサ子の首に両手を掛けた。
「どうぞお好きに、私も」ミサ子も俺の首に手を掛ける。
激しく腰を振り強い射精感に堪えながら首を絞める。オーガムズを迎えたミサ子の手に力がはいる。
俺は射精と同時に死んだ。最愛の人のものになったんだ。
ミサ子もまた死んだのだ。
これで夢はみないですむ。
・・・

レールは途切れた私の意思によって

あなたは死んだの、でも私は生きるのよ

だって一度も私を信じてくれなかったものね、知っていたは初めから



end

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