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ねぇ…大好きなのに。

[419]  春樹  2009-12-03投稿
微熱は、なかなか下がらなかった。

春樹には言わなかったが、毎日目眩がして、不意に倒れそうになる事が何度もあった。

でも、倒れそうになるだけで、倒れた訳ではない。

【大丈夫、こんな事、余裕で乗り切れる位、春樹が大好きなんだよ】

そう思っていないと、心が壊れてしまいそうだった。

その日の朝、いつもと同じ様に春樹が私を実家に送ってくれた。

私は、仕事に行くまでの間、部屋で春樹の事を考えていた。

【今日も春樹は、友達の奥さんのお弁当食べるのかな】

その日は、いつもより心が落ち着いていた。

自分の気持ちと冷静に向き合えた。

そして、春樹に解って欲しい自分の気持ちも、上手く伝えられる気がした。

その日の夜、私は春樹に自分の気持ちを伝えた。

「春樹、亜弥は独り身でバイトしてるのに、欲しいもの一つも買えないって思ってて、なのに、せっかく作ったお握りも、ご飯も捨てたりして、それでイライラしてて、でもね、お盆休みに二人で買い物行ったでしょ?その時、ジュース飲みたいって言った亜弥に、春樹が笑顔で頷いたでしょ。それがすごく幸せだったんだ。ジュース一つだって幸せになれるのに、欲しい物一つも買えないって思ってた亜弥は、自己中だったんだよね」

上手く伝えられているのかは、解らなかった。

でも、やっと伝えられた自分の気持ち。

「だからね、今は二人で頑張ってるんだから、ご飯食べて来たりしないで欲しい。二人が頑張れる為に、傍に居て欲しい。浮気してる友達と居たら、春樹も浮気しちゃうかもって不安になったら、頑張れなくなる。頑張れない自分は、嫌い。もう春樹の事失わせないで」

そう言って微笑んだ私を、春樹が突然強く抱きしめた。

「ごめん。やっと解った。もう絶対しない、ごめんね」

春樹が泣いている様な気がした。

だから、私も春樹を強く抱きしめたまま頷いた。

それから春樹はずっと、私との約束を破らなかった。

【春樹を信じてて、良かった】

いつも、私にそう思わせてくれる春樹をこれからもずっと失わない為に、絶対諦めないと強く思った。

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