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鳥の国 -1青い鳥-

[830]  あや  2009-12-05投稿
朝。
目が覚めると。窓から差し込む光が目に入り、とても眩しかった。
目覚めが良い日は、何か素敵な事が起きそうで、何故かワクワクする。
朝ご飯を軽く片付け、いつものように森へ出掛ける準備をした。

「よし!出発!」
勢いよく扉を開けた。

「!?」
そして僕は立ち止まった。

扉の前には、なんと巨大な青い鳥がいた。

息を飲む。この状況はまずい。
巨大過ぎる、勝ち目はない。

(よっよし。立ち去るぞ。)

「失礼しました。」
とりあえず後ずさりし、扉を閉めようとした僕に、青い鳥は話し掛けてきた。

『おぉ。すまない。驚かせたな。』
そう言って巨大な鳥は、段々小さくなり、青い鳥に成った。

青い鳥は再び僕に話し掛けてきた。
『この辺りに、人間は君しか居ないようだが。』
僕は答えなかった。
『まだ若いな。雄だろう。』
僕は黙っていた。まずは、家に戻るか。

『こっこら。何処に行く。』
そう言って、鳥は僕の家に飛んで入り、テーブルの端にとまって、腰を落ち着けた。

(なんて事だ!今日は良い日に成るはずだったのに。)
不服そうな僕を見ても、鳥は気にする様子は無かった。

『済まないが、助けて欲しい。』
「断る。」
『助けてくれ。』
「嫌だ。」
『話くらい。』
「帰ってくれ。」
僕は、鳥を追い出そうとした。小さいのなら怖くない。

『話くらい聞けぇぇ!!』
鳥は室内で巨大化したため、いくらか物が壊れた。
大事にしていた釣り道具も只の棒に成った。本当に僕は泣きたい。

僕は、鳥の話しを聞く事にした。鳥は安心して小さく成ったが、壊れた物は元に戻らない。

鳥の話によると、彼は天空の住人で、天空の城の門番をしていたそうだ。天空人は皆が鳥らしいのだが、王と妃は人型に姿を変える事が出来るらしい。
ある日、平和な天空の城に、悪い人間の男がやって来た。青い鳥は、門番として戦ったが負けてしまい。城への侵入を許してしまった。
危険に気付いた王は、妃を開かずの扉に閉じ込め、侵入者と戦った。
そして王は、侵入者の邪悪な魔力によって殺された。

青い鳥は僕に言った。開かずの扉を開けて欲しい。そして、妃と共に戦い侵入者を倒して欲しいと。

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