携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 知ってるよ。?

知ってるよ。?

[295]  やまだ  2006-08-12投稿
知ってるよ。

あなたの掌の行き先。

でも、あなた知らないでしょ。
あたしの掌の行き先は、あなたなんだよ。


――…?…――


頭がボーッとするまで涙を流しているうちに、すっかり外は暗くなっていた。


『…真っ暗…。』
『俺見たい再放送あったのに。』

ゆうたが文句を言っている。


『じゃぁ帰ればよかったのに。』
『帰れるかよ。』


ゆうたは真剣な顔をする。


『なんでいつもあたしなんかに…』


言いかけた瞬間に、誰かが隣の教室のドアを開けた。


『…誰だろ…こんな時間に…』
『もう野球部くらいしか残ってねーぞ。』



野球部…鈴木くん…?



『…行ってくれば。鈴木かもしんないし。』
『や、やだよ!』
『良いから行けッ!俺は帰りたいの!』



ゆうたはポイッとあたしを投げ捨てて、教室を出ていってしまった。



『…ひとでなし!』



言いながらあたしは立ち上がって、ゆっくりと隣の教室のドアの前まで進んだ。


『…誰なんだろ…』


ドアに手を伸ばした瞬間、聞き覚えのある声がした。


『…ッ…ヤス君のばかッ…ばかッ…』



泉…先輩…?

泉先輩の押し殺した泣き声が、教室に響いている。

先輩…ヤス先輩とケンカでもしたのかな…


どうしよう。
ここはなぐさめるべきなの?


迷ってるうちに、廊下から誰かが走ってきた。


『えっ!どうしよう!』



あたしは、やっぱり隠れる必要もないのに、廊下の死角にサッと隠れた。


足音は泉先輩のいる教室まで入っていって、ピタリと止んだ。

『…だ、誰が入ったの…?』


ゆっくりと教室に近寄った途端に声がした。



『ヨシ…?なんで…練習は…?』



ヨシって…鈴木くん…?


『…ヤス先輩、謝ってましたよ。』


なに?なんの話ししてるの?


『…なんでッ…ヤス君…甲子園なんか行けるわけないなんて言ったの…!?』
『ヤス先輩も、プレッシャーとか…あるんですよ。きっと。』
『連れてってくれるって約束したのに!約束したのにッ…!』

泣き叫ぶ泉先輩の声は教室中に響いた。

感想

感想はありません。

「 やまだ 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス