知ってるよ。?
知ってるよ。
あなたの掌の行き先。
でも、あなた知らないでしょ。
あたしの掌の行き先は、あなたなんだよ。
――…?…――
頭がボーッとするまで涙を流しているうちに、すっかり外は暗くなっていた。
『…真っ暗…。』
『俺見たい再放送あったのに。』
ゆうたが文句を言っている。
『じゃぁ帰ればよかったのに。』
『帰れるかよ。』
ゆうたは真剣な顔をする。
『なんでいつもあたしなんかに…』
言いかけた瞬間に、誰かが隣の教室のドアを開けた。
『…誰だろ…こんな時間に…』
『もう野球部くらいしか残ってねーぞ。』
野球部…鈴木くん…?
『…行ってくれば。鈴木かもしんないし。』
『や、やだよ!』
『良いから行けッ!俺は帰りたいの!』
ゆうたはポイッとあたしを投げ捨てて、教室を出ていってしまった。
『…ひとでなし!』
言いながらあたしは立ち上がって、ゆっくりと隣の教室のドアの前まで進んだ。
『…誰なんだろ…』
ドアに手を伸ばした瞬間、聞き覚えのある声がした。
『…ッ…ヤス君のばかッ…ばかッ…』
泉…先輩…?
泉先輩の押し殺した泣き声が、教室に響いている。
先輩…ヤス先輩とケンカでもしたのかな…
どうしよう。
ここはなぐさめるべきなの?
迷ってるうちに、廊下から誰かが走ってきた。
『えっ!どうしよう!』
あたしは、やっぱり隠れる必要もないのに、廊下の死角にサッと隠れた。
足音は泉先輩のいる教室まで入っていって、ピタリと止んだ。
『…だ、誰が入ったの…?』
ゆっくりと教室に近寄った途端に声がした。
『ヨシ…?なんで…練習は…?』
ヨシって…鈴木くん…?
『…ヤス先輩、謝ってましたよ。』
なに?なんの話ししてるの?
『…なんでッ…ヤス君…甲子園なんか行けるわけないなんて言ったの…!?』
『ヤス先輩も、プレッシャーとか…あるんですよ。きっと。』
『連れてってくれるって約束したのに!約束したのにッ…!』
泣き叫ぶ泉先輩の声は教室中に響いた。
あなたの掌の行き先。
でも、あなた知らないでしょ。
あたしの掌の行き先は、あなたなんだよ。
――…?…――
頭がボーッとするまで涙を流しているうちに、すっかり外は暗くなっていた。
『…真っ暗…。』
『俺見たい再放送あったのに。』
ゆうたが文句を言っている。
『じゃぁ帰ればよかったのに。』
『帰れるかよ。』
ゆうたは真剣な顔をする。
『なんでいつもあたしなんかに…』
言いかけた瞬間に、誰かが隣の教室のドアを開けた。
『…誰だろ…こんな時間に…』
『もう野球部くらいしか残ってねーぞ。』
野球部…鈴木くん…?
『…行ってくれば。鈴木かもしんないし。』
『や、やだよ!』
『良いから行けッ!俺は帰りたいの!』
ゆうたはポイッとあたしを投げ捨てて、教室を出ていってしまった。
『…ひとでなし!』
言いながらあたしは立ち上がって、ゆっくりと隣の教室のドアの前まで進んだ。
『…誰なんだろ…』
ドアに手を伸ばした瞬間、聞き覚えのある声がした。
『…ッ…ヤス君のばかッ…ばかッ…』
泉…先輩…?
泉先輩の押し殺した泣き声が、教室に響いている。
先輩…ヤス先輩とケンカでもしたのかな…
どうしよう。
ここはなぐさめるべきなの?
迷ってるうちに、廊下から誰かが走ってきた。
『えっ!どうしよう!』
あたしは、やっぱり隠れる必要もないのに、廊下の死角にサッと隠れた。
足音は泉先輩のいる教室まで入っていって、ピタリと止んだ。
『…だ、誰が入ったの…?』
ゆっくりと教室に近寄った途端に声がした。
『ヨシ…?なんで…練習は…?』
ヨシって…鈴木くん…?
『…ヤス先輩、謝ってましたよ。』
なに?なんの話ししてるの?
『…なんでッ…ヤス君…甲子園なんか行けるわけないなんて言ったの…!?』
『ヤス先輩も、プレッシャーとか…あるんですよ。きっと。』
『連れてってくれるって約束したのに!約束したのにッ…!』
泣き叫ぶ泉先輩の声は教室中に響いた。
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