奈央と出会えたから。<407>
その翌日――
渋川が、あたし達の予想通りのリアクションを示してくれたのは、
登校して間もなく、
ホームルームが始まる直前だった――
『き、き、き、北岡っっ!!
北岡は来てるかっっ?!
今すぐ職員室に来なさいっっ!!
それと、今日のホームルームは自習だ!!』
渋川の慌てたその様子に、
クラスメイト達は、一瞬ざわついたケド、
昨日の話の流れから、
すぐに聖人の処分が決定したのだと悟ったようだった。
聖人が少し気だるそうに席を立ち、教室から出て行くと、
ユカが心配顔で、あたしに話しかけてきた。
『奈央おはよ。
昨日はびっくりしたよ。あんた突然、教室飛び出すんだもん。』
ユカには、まだ詳しいコトは話していない――
『うん。ごめんね。後でゆっくり話すから。』
職員室には森宮親子が来ていた――
昨日の、FM小樽のゲスト控え室でのコトは、
もちろん、
森宮親子と、あの場にいたメンバー以外、誰も知らない。
あたしには、
森宮親子が今日、なぜ揃って再び、うちの学校へやって来たのか、
大体の想像はついたんだ――
これは後で聖人に聞いたんだケド――
職員室で、森宮親子は聖人に土下座して謝ったんだって。
教育長サンと、その御子息の姿に、
校長と教頭、そして渋川は、目をまん丸くさせていたって。
あっっ!!
そうそうっっ!!
聖人に、5枚目の写真には何が写っていたのかを聞いたら、
こう言われてしまったんだ。
『ばぁか。奈央が心配するコトじゃねぇよ!!』
その日の放課後は、
久しぶりに、穏やかな時間を過ごすコトが出来たよね。
ねぇ聖人。
あのトキの会話覚えてる?!
――俺、アイツら親子のコト、少し詳しく知り過ぎちまったみてぇ――
――どういうコト?!――
――当初の計画を大幅に変更しちまってさ。
実は‥あン時、京谷サンを怒らしちまったんだ‥‥ハハハ――
――えぇっっ?!ホントに?!――
――あぁ。何考えてんだろな俺――
君のそんな優しさが大好きだったよ。
ありがとう。
明日もきっと、
晴れますように――
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