もしかして…とは思っていたけど、まさかそれが本当の出来事になるなんて。
「おめでとうございます。三週目に入ってますね」
「あ、ありがとうございます…」
嬉しくないわけじゃない。
でも、心の準備ができていなかった。
「…何て、話そう」
彼がこの話を聞いて、私を捨てるとは思ってない。
そんな酷い人ではないと、今まで一緒に居たからこそ分かる事実。
一年、短くもあり長くもあり。
それが私と彼の、恋人な関係の年数。
喧嘩も少なくはないけど、それ以上に笑顔が多くて。
彼の隣の居心地がいい。
彼の隣が当たり前になってきている。
同棲したいな、そんなことを考えてる矢先のこの出来事。
今日は、会う約束をしていたけど、どうにも会って笑える気分じゃない。
でも、いつかは言わなきゃいけないんだし……うん、今日言おう。
「おっ、今日は早いな。約束の時間まだだろ？」
「う、うん。早く着いちゃって」
彼の家でノンビリと過ごす予定だった今日の夜。
ノンビリは、無理かも。
ご飯を食べながらDVDを見て、見終わってから感想を言い合って。
私、いつもどおりにできてるよね。
ふと、話の途中で長い沈黙ができた。
…話すなら、今かも。
「あの…」
「なぁ」
「えっ？何？」
「……結婚しない？」
その言葉を理解するのに十数秒、理解してから涙を流すのに数秒かかった。
「ちょ、何で泣くの！？そんな嫌だった？」
「違っ…嬉しくて…」
オロオロしている彼を見て、少し笑ってしまった。
「子供ができたの」言うのは、泣き止んでからでもいいよね。

• 33736： 幸せな気分になりますなぁ〜☆朱雀 [2011-01-16]

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