あの人へ、愛の言葉を。《6》
「……は?
佐代、私の話聞いてた?」
またこの子…変なこと言ってる。
「聞いてたよ。…だって!もう手紙書かないって内容じゃないかもしれないじゃん。もしかしたら『君とまた会える日まで手紙を書かない』って内容の可能性もあるでしょ?」
「な……」
さすが佐代。超ポジティブシンキング。ほんと、いい性格してるよ。
「ほーらっ!手紙、今も持ってるんでしょ?」
そういうやいなや、佐代は私のカバンを勝手にあさりだした。
「あった白い封筒!」
「あ…
わ、わかったから!
だけど、先に佐代が読んで。私に見せないで!」
「えー…うん、わかった」
いくら佐代にすべてを話しても、自分では読めない。
根底に残る“不安”は拭えていなかった。
「じゃあ…開けるよ?」
「うん…」
気付けば、もう外は暗くなり、図書館にいた人達も殆どいなくなったいた。
ビリ…ビリ…
その誰もいない図書館に、手紙の封を破る音が不気味に響いた。
「開いた…」
呟くように言う佐代の声が聞こえた。
…とうとう、開けたんだ。
歯を食い縛り、目もきゅっと瞑って覚悟を決めた。
「…く、久瀬っ!」
佐代が、騒いでいる。また司書のお姉さんに叱られるよ…?
「これ、尚兄からの手紙じゃない…」
「え?」
私は、最初意味がわからなかった。
(だって、住所は尚兄ので間違いない…)
なんて考えていると、佐代があからさまに暗くなった。
そして、重々しく口を開いた佐代はこう言った。
「久瀬…ごめん。
私が見るべきじゃなかったみたい…」
そういうと、「先に帰るね」と言って私の制止も聞かずに図書館を出ていってしまった。
(もう…いいや。
佐代のあの様子じゃ、私の予想的中だもん)
何処かでまだ、尚兄からのいつもの手紙なんじゃないかと期待してたんだと思う。
だけど、佐代のあの表情…。
諦めが勝って、もう半ばヤケクソで、私は手紙に手をつけた。
図書館にはもはや誰もいなかった。
佐代、私の話聞いてた?」
またこの子…変なこと言ってる。
「聞いてたよ。…だって!もう手紙書かないって内容じゃないかもしれないじゃん。もしかしたら『君とまた会える日まで手紙を書かない』って内容の可能性もあるでしょ?」
「な……」
さすが佐代。超ポジティブシンキング。ほんと、いい性格してるよ。
「ほーらっ!手紙、今も持ってるんでしょ?」
そういうやいなや、佐代は私のカバンを勝手にあさりだした。
「あった白い封筒!」
「あ…
わ、わかったから!
だけど、先に佐代が読んで。私に見せないで!」
「えー…うん、わかった」
いくら佐代にすべてを話しても、自分では読めない。
根底に残る“不安”は拭えていなかった。
「じゃあ…開けるよ?」
「うん…」
気付けば、もう外は暗くなり、図書館にいた人達も殆どいなくなったいた。
ビリ…ビリ…
その誰もいない図書館に、手紙の封を破る音が不気味に響いた。
「開いた…」
呟くように言う佐代の声が聞こえた。
…とうとう、開けたんだ。
歯を食い縛り、目もきゅっと瞑って覚悟を決めた。
「…く、久瀬っ!」
佐代が、騒いでいる。また司書のお姉さんに叱られるよ…?
「これ、尚兄からの手紙じゃない…」
「え?」
私は、最初意味がわからなかった。
(だって、住所は尚兄ので間違いない…)
なんて考えていると、佐代があからさまに暗くなった。
そして、重々しく口を開いた佐代はこう言った。
「久瀬…ごめん。
私が見るべきじゃなかったみたい…」
そういうと、「先に帰るね」と言って私の制止も聞かずに図書館を出ていってしまった。
(もう…いいや。
佐代のあの様子じゃ、私の予想的中だもん)
何処かでまだ、尚兄からのいつもの手紙なんじゃないかと期待してたんだと思う。
だけど、佐代のあの表情…。
諦めが勝って、もう半ばヤケクソで、私は手紙に手をつけた。
図書館にはもはや誰もいなかった。
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