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ねぇ…大好きなのに。

[264]  春樹  2009-12-20投稿
私の実家で生活を始めてから、当たり前だが、春樹は毎日仕事が終ると、家に帰ってきた。

休日は、二人で出掛けた。

毎日一緒だった。

しかし、春樹の仕事は相変わらず半月位休みがあり、お金が貯まる気配は無かった。

春樹も限界を感じていた。

仕事が休みになる度に、悩んでいる春樹。

迷っている春樹に、私は始めて自分の気持ちを伝えた。

「仕事辞めちゃいなよ、すぐに違う仕事探せば大丈夫だよ、もったいないよ。春樹はやりたいコトとか無いの?」

本当はその頃、もう実家で暮らす事に私は限界を感じていた。

だから春樹に、ちゃんとお給料を貰える所で、働いて欲しかった。

友達と働く事も、辞めて欲しかった。

「別にやりたい事とかは、ないけど、ちゃんとお給料貰えればいい」

春樹の複雑に揺れてる気持ちにも、私は気付いていた。

気付かないふりをしたまま、春樹が自分で出す答えを待つ。

だって春樹は、いつも私の事を1番に考えてくれているから。

時々それが、私を苦しめる事もある。

だって私は、春樹が私の為に無理をする事が嫌だから。

でも、そう思い合える事を大切にしていきたかった。

春樹は仕事を辞めた。

そして、すぐに違う仕事を始めた。

その仕事は、春樹が十代の頃にやっていた仕事だった。

十代の頃に働いていた所の社長とは、ずっと付き合いがあったみたいで、その社長に頼んで雇って貰える事になった。

でも春樹は少し前に、その仕事は、あまり好きではないと言っていた。

また、私のせいで春樹に嫌な想いをさせてしまった。

私は罪悪感で苦しくなった。

その苦しさ以上に、春樹の気持ちが凄く嬉しかった。


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