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神のパシリ 51

[406]  ディナー  2009-12-22投稿
「では、俺達の目的も
分かっているのだな?」

ゼルの問い掛けに、
ロゾは頷く。

「無論だ。
魂喰い…とおぬしらが
呼んでいる存在だろう。
だいたい調べはついて
いるからのぅ。
あれは…

おそらく、
破壊の神
の手先じゃな」

「何…!?」

その言葉にゼルは驚愕した。

全てを破壊する存在にて、揺らぐ事なき
悪神の烙印を押された神。

創造があれば、必ず
破壊がある。

光に闇が対をなすように。

それは必然である。

そして、人々にとって、永遠に創造の神が
祝福されるべき存在で居続ける限り、

対をなす破壊の神は
永遠に忌むべき存在で
あり続けるのだ。

死が、永遠に忌むべき
存在であるように。

哀しい存在だが、
必要であり、
必要であるが、
決して求められない。

そして…。




死の神の、弟神。




「本当かい?空前絶後に
やり合いたくない相手
だねぇ」

驚きすぎたか、キアは
言葉の使い方まで
間違えている。

「根拠は?」

「ふむ…時を歪めるは、
時の因果、流れの破壊
じゃ。
魂を喰らい、死の因果、
輪廻の破壊も行う。

そんな力、破壊の神しか
持つまいて」

老人の言葉に、ゼルは
ただ首を縦に振る
しかなかった。

「主の弟神か…ない話
ではないな」

「物分かりがいいな、
若いの」

ロゾは満足げに笑う。

「なら、分かるはずだ。
俺は奴を消さねばならん。例え後ろに破壊の神
がいようとな」

「どうやら、それが
おぬしの存在立証に
繋がる『仕事』のよう
じゃの」

「そうだ。それを完遂するためにお前の力が欲しい」
「…時を操り、何とする?」

「奴が生まれた時へ戻り、……消す」

ゼルの答えに、ロゾは
静かに閉目した。

ロゾの言葉が、
何もない空間に
『流れる』。





「……断る」

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