神のパシリ 52
「…おぬしら、いまいち
理解が足りないようじゃ。
私は、そんな形なら
協力する気はない。
よいか。
過去というものは、
今という流れにいる命の
存在を立証するもの
であり、
侵してはいかん領域
なのじゃ。
まず、過去を変えるのは
私は卑怯と考える。
それに…過去を変えた
場合に、その先の流れが
どうなるのかを予見する
のは至難の業じゃ。
それで魂喰いを消した
として、
それで事態が穏便に終息
する保証がどこにある?
今より、もっと悪化する
可能性もあるのじゃぞ?」
ひとしきり説明したのち、ロゾは意地悪く、
薄気味悪い笑みを
浮かべる。
「だいたい、おぬしらの
任務なぞ、私には
関わり合いがない。
人間の世界がどうなろうともな。
私にはもはや上司も
いなければ、神に従う
理由もない。
…知ってるぞ。おぬしが
死の尊厳を語る様は。
だが、それはおぬしの
本意か?
神に刷り込まれた、
ただの大義名分では
ないのか?
おぬしが言うほどに、
死とは尊いものか?
ただ腐れ果てて滅びる
という事に、どれほどの
尊さが……」
言葉が途切れた。
ゼルが、ロゾを掴み、
締め上げている。
「やめないかゼル、
キミにその御老体は
殺せない」
キアが止めるが、ゼルは
緩めるものの放さない。
「…では、聞かせてやろう。
死が、
俺にとって何であるかを」
理解が足りないようじゃ。
私は、そんな形なら
協力する気はない。
よいか。
過去というものは、
今という流れにいる命の
存在を立証するもの
であり、
侵してはいかん領域
なのじゃ。
まず、過去を変えるのは
私は卑怯と考える。
それに…過去を変えた
場合に、その先の流れが
どうなるのかを予見する
のは至難の業じゃ。
それで魂喰いを消した
として、
それで事態が穏便に終息
する保証がどこにある?
今より、もっと悪化する
可能性もあるのじゃぞ?」
ひとしきり説明したのち、ロゾは意地悪く、
薄気味悪い笑みを
浮かべる。
「だいたい、おぬしらの
任務なぞ、私には
関わり合いがない。
人間の世界がどうなろうともな。
私にはもはや上司も
いなければ、神に従う
理由もない。
…知ってるぞ。おぬしが
死の尊厳を語る様は。
だが、それはおぬしの
本意か?
神に刷り込まれた、
ただの大義名分では
ないのか?
おぬしが言うほどに、
死とは尊いものか?
ただ腐れ果てて滅びる
という事に、どれほどの
尊さが……」
言葉が途切れた。
ゼルが、ロゾを掴み、
締め上げている。
「やめないかゼル、
キミにその御老体は
殺せない」
キアが止めるが、ゼルは
緩めるものの放さない。
「…では、聞かせてやろう。
死が、
俺にとって何であるかを」
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