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いじわる先生 33 〜生徒を救えない悲しさ、ついに来た決戦〜

[542]  るー6  2009-12-24投稿
「いつの間に…。」
「放課後、オレ達が河原に集まった帰りにやられたんだって…」
香山先生は、幸輔にそっと告げた。
「何で…言わなかったお前。」
「……先生…それは……。」
幸輔は苦しそうに話している。それを見るに見兼ねた先生は、
「幸輔はきっと…優太のカタキをとりたかったんだよな。」
幸輔は2度頷いた。
「…分かった。」
先生はそっと、幸輔の頭を撫でた。
「えらい…えらいぞお前。」
「でも、先生…この呪印、もう1つ恐ろしい事が…。」
「…何だ?」
「いじわる先生に近づくたびに、痛みは大きくなっていく。」
「…何だ…それは…。」
香山先生の一言一言に覇気がない。
「最悪…死ぬことも有り得るかも。」
「そんな…優太本当か?」「もちろん。今まで一緒にいたんですから。」
香山先生は、幸輔を強く抱きしめた。

自分の無力さによる怒りと
生徒を救えない悲しさ。

「だけど、幸輔は行くって言ってます。」
「…。」
「僕の体が痛み続けても、必ずいじわる先生の下に辿り着くって…。」
まだ…中学生なのに…
香山は、更に強く抱きしめた。
「守ってやれなくて…ごめん…。」
幸輔は首を横に振った。
「一緒に…来るか?」
「…はい。」
その声だけは、力強かった。
「分かった。…じゃあ優太。行くぞ。」

これが…3人の挑戦。
本当の意味の、生徒と、先生の挑戦だったのかも。
「この先にエレベーターがある。80階行きだ。」
「じゃあ…行ける。」
ついに来た。

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