YES 2
「あゆ〜髪だいじょぶ?」
応援席に戻ると、なっちゃんが心配して駆けつけてくれた。
「うん。だいじょぶ。桐島さんが取ってくれたから」
「ああ!桐島さん陸部だから」
毎年、陸上部の部員は体育祭の運営を手伝っている。
「私…桐島さんと初めて話したかも」
「あの人、あんまりしゃべんないからねぇ。て、あゆは座席、桐島さんの前じゃん!」
「うん。でも話したことないもん」
「…ふ〜ん。あ!次の次、騎馬戦じゃん!行かなきゃ!」
「がんばってね!なっちゃん」
応援席に桐島さんが戻ってきて、座っていた。
「桐島さん、さっきはありがとう」
私は声を掛けた。
「ううん。よかったよ、すぐ取れて」
「あは」
私は笑ってみせた。
「あ、ちょっと…」
桐島さんは私の頬を指でなでた。
「土、ついてた」
「あ、ありがと」
私は照れ笑いして見せた。
続く
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