携帯小説!(PC版)

トップページ >> ファンタジー >> アンダギちゃん

アンダギちゃん

[373]  雛祭パペ彦  2006-08-14投稿
 多くの天使がそうであるように「没落天使アンダギちゃん」も、高校生・神田ポロ郎のもとに降臨した。
 不幸の発端は、降臨してすぐに、アンダギちゃんを襲った激痛だった。
「うぷあぁぁぁ!」
「ど、どうしたの?」
「お腹痛ぅぃぃぃ。アンダギ、もしかして急性盲腸炎かもぉぉぉ」
「えっ! ど、どうする?」
「ポロ郎くん…悪いけど救急車呼んでほしいの」
「それはいいけど…アンダギちゃん、保険証持ってるの?」
「はい、コレ」
「…こんな保険証は、僕の世界じゃ使えないよ。保険証が使えないと、全額自己負担だよ? 僕、そんなお金ないからね」
「そんなぁ…でも病院に行かないと、アンダギ死んじゃうもん。死ぬの、やーもん! ポロ郎くん、お願い! アンダギのこと助けてよう」
「チッ…仕方ないなあ」
 結局、ポロ郎が119番通報をして、アンダギちゃんは近くの病院に搬送された。
 そして、急性盲腸炎だと診断されたあと、緊急手術が行われ、アンダギちゃんは、無事に一命をとりとめた。

 翌日。

「……むまー」
「あ、目がさめたようね」
 白衣のナースが、ベッドに臥せているアンダギちゃんに声をかけた。
「おはようございまぷぅ」
 声を発するたびに、アンダギちゃんの下腹やその周辺が痛む。
「…ポロ郎くんは?」
「ポロ郎さんなら、昨夜、手術が成功したのを見届けたあと、帰りましたよ」
「そうですかー。あ、アタシ、ポロ郎くんに、いっぱい迷惑かけちゃって…お金とか」
「ご心配なく。治療費は、全額いただいています」
「でも、そのう、ちゃんとした保険証を持ってなかったから…」
「お金のことは心配しなくていいのよ。それよりもアンダギちゃん、身体の調子はいかが?」
「あ、はい。盲腸を取ったせいなのか、前よりも身体が軽くなったみたいですぷぅ」
「うふふ、そうでしょ。取ったのは盲腸だけじゃないもの」
「えぅぅぅあっ! そそそそそれは、どういう…」
「2個ある腎臓のうち、1個を摘出したのよ。天使の腎臓は、人間の1億倍の機能を有しているから、すごい高値で売買されているの。それこそ、アンダギちゃんが、この病院に100年入院してもお釣りがくるほどのね」
「にゃふにぃょぷぅ!」
「あ、お釣りの数億円は、ちゃんとポロ郎くんに預けておいたから、安心して治療に専念してくださいね」
 そう言って、ナースは病室を去っていった。

感想

感想はありません。

「 雛祭パペ彦 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス