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神のパシリ 55

[397]  ディナー  2009-12-27投稿
「…ほぅ」

一部始終を聞き、
ロゾはほくそ笑んだ。

「やはり、言葉という
代物は、現在で聞くのが
最も力を感じるのぅ」

ロゾは、優しくゼルの
手を払い、鳩血色をした
彼の瞳を覗く。

「正直な話、神の存在やらはどうでもいい。
私は、おぬしの覚悟の
度量を聞きたかったのだ。


良かろう。
力を貸そう。


おぬしの主のため
ではない。
おぬし自身と、おぬしが
思う者のためにな」

ゼルは、片頬をひきつらせて、いつもの笑みを
浮かべる。

「だが、過去の奴の所へ
行かせるつもりはない。
…私のやり方に
合わせて欲しい」

「…というと?」


「…奴を、ここへ
閉じ込める」


「!?」


「心配しなさるな。奴に
喰われたりはせんよ。
私は時を操るでな。
奴を閉じ込める事など
造作もない。

それに、消してしまえば
消した者には、おそらく
破壊の神の歪んだ
祝福が降り続けよう。

それでは解決にはならん。

私がやった事になれば、
破壊の神も手が出せまい。

どうせ一人は退屈で
退屈で仕方なかったのよ。

奴とチェスでも打って
過ごすわい。


それに…奴も奴なりの
思いや、考えがあった
のじゃ。

今では、完全に
ねじまがってしまったが…」


そこで、今まで閉口し、
傍観していたレミーシュが口を開いた。

「あの…フェルゼル兄に…魂喰いに、一体何が…
あったんですか?
ご存知なのですか?」

「お嬢さんがそう言うと
思うてな、もう
『知って来て』
おるよ」

ロゾはそう言って、
目を細めてレミーシュを
見た。

「純真な瞳をしておるの。人間は、みな産まれた時
そんな瞳をしておるの
だがのぅ。
偉大な政治家も、
慈善活動家も、
凶悪な犯罪者も、
みな、過去には純真な
子供であるのに…



お嬢さん、決してその
無垢な瞳、失うでないぞ。




では、語ろう。


魂喰いが…フェルゼルと
いう人間が変わった
理由を」

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