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知ってるよ。??

[305]  やまだ  2006-08-14投稿
知ってるよ。

君の笑顔が一番眩しい時。

でも、あなた知らないでしょ。
あたしの笑顔が一番眩しい時。


――…??…――




『泉先輩ってほんとに知らないの?』

のりちゃんは不機嫌そうにポカリを飲む。

『多分…知らないよ。』
『あたしが恋敵にそんなこと言われたら、思いっきりぶん殴りたくなるけどね。』
『のりちゃん怖いってば…』


朝の出来事をのりちゃんに話したら、"よく怒らなかったね"って言われた。

確かに悔しさは感じたけど、怒りは無かった。


今のあたしじゃ泉先輩に敵わないってことわかってれば
何を言われても怒る気力なんか出てきやしない。

それよりも今は、すこしでも鈴木くんにあたしのこと見てもらいたい。

なんでもいいから、気にかけて欲しい。


『あたし頑張るね。』


なんとなく言ったつもりだったのに、のりちゃんはすこしびっくりした顔をしてる。


『どしたの?』
『いや…鈴木くんに関する話しするとさ、眩しいくらい笑顔になるね。』
『…そう?あたしいっつも泣いてる気がする。』


のりちゃんは笑って、泣いてる亜美も可愛いけど。と言った。


今日は1日中、明日の朝鈴木くんと何を話すか考えることで頭がいっぱいだった。


野球の事はそんなに詳しくないけど、きっとあたしと鈴木くんに一個くらい共通点あるよね!
今日のあたしは信じられないくらい前向きだ。


のりちゃんに言われた言葉が、あたしを笑顔にしてくれる。


鈴木くんの話ししてると笑顔が眩しい…か…

『えへへ。』

HR中ににやけたら、ゆうたから"きもいぞ"と書かれたメモが回ってきた。

ほっとけ!



放課後、明日朝練があるのか鈴木くんに聴きに行こうと一大決心をし、隣の教室に行くと、鈴木くんと泉先輩がいた。


『…あ…。』


鈴木くんが笑って話してる。
楽しそうで 嬉しそうで 幸せそうで

『眩しい……。』


言ってから、気が付いた。

『…鈴木くんも、あたしと一緒だ。』


ねぇ。

みつけたよ。
あなたとあたしの共通点。


みつけたのに。

切なくて どうしようもない。

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