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知ってるよ。??

[315]  やまだ  2006-08-14投稿
知ってるよ。

あなたにとってはどうでもいいことだって。

でも、あなた知らないでしょ。
あたしにとっては、大切なことなんだよ。




――…??…――




『…じゃ、じゃぁあたし行くね!』
『あたしたちもそろそろ部活行かなきゃ!』
『じゃ、沢木また明日ね。』


2人が並んであたしに手をふる。

『…っうん、また明日ね。』

手をふりかえして5秒もしないうちに、あたしは下駄箱まで走った。



昨日抱き締められた時は悲しくて悲しくて仕方なかった。

鈴木くんの中にあたしのことなんかこれっぽっちもなかったのが伝わったから。



でも さっきの掌の温かさは

確かに伝わったの。



『ずるいなぁッ…ッ…』



確かに


鈴木くんの中にあたしがいたの。


消えそうなくらい ちいちゃかったけど


ねぇ


その掌の温もりに


涙が止まらないくらい


嬉しさがこみあげてくる。




『…ッはやく明日になれ。』



朝一番に、眩しいくらいの笑顔みせてやろうと決心しながらあたしは靴を履き替えた。


『最近ひとりで帰ってばっか。』

独り言を言いながら下駄箱を後にすると、目の前にゆうたの後ろ姿をみつけた。

『泣いたの…バレないよね。』
あたしは少し心配しながらゆうたの隣に駆け寄った。

『ゆうたもひとりで帰るの?』『…そーですけどなにか。』

少しふてくされた顔をしながらゆうたが答える。

昨日からふてくされてばっかりだ。

『…ついてくんの?』
『方向一緒なんだもん。』

ゆうたの声が機嫌悪くなった。
『…おまえさぁ。』
『なに?』


しばらくじっとゆうたを見ていたら、ため息をつかれた。


『…なんでもない。』

それからずっとゆうたは、あたしを見てはため息をついての繰り返し。

あたしも負けじと悪態をついたけど、
ふと、昨日のことを思い出した。

そういえば、昨日もゆうたが一緒にいてくれたんだったっけ。

『…ありがとう。』
『…なによいきなり。』
『昨日のこと。』
『忘れた。』

ゆうたは、すこし笑った。
あたしは一瞬眩しくなった。

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