UNDER SOUL〜第1話〜
UNDER SOUL〜第1話〜
この学校に転入してきて、今日早くも一ヶ月が経とうとしていた。
少し見慣れてきた町並みをチャリで登校。
閑静な住宅街と、田舎の商店街と、大きな河原の道を抜けた先にあるK高校は、なんとも平和な校風で、学力も普通、部活もそこそこ、アホないじめもない。
転校してくる身としては、とても馴染みやすい学校だった。
珍しいものを見るような、転校生に向けられるあの独特な視線は、一ヶ月も経てばさすがに落ち着いてきた。
「浅倉 信一」
「はい」
朝の点呼。担任の先生にも名前覚えてもらったらしい。
クラスで気の合う友達も何人か見つけた。
「転校生が来るっつーから、可愛い女の子期待してたのに」なんて、始めは
からかってきた奴らだが、
「授業、分からねえとこあったら聞けよ」とか、けっこう優しい。
昼休みになると
「信一、購買行かねぇ?」なんて毎度誘われたりして。
そいつらと飯食いながらだべるのは、2組の○○って女子がスゲー可愛くて、けど最近彼氏できたらしいマジショック、とか、昨日のブルーシアターがどうとか、下らないけど和む話だ。
さて、そんな余裕からだろうか、俺は今日、あることに気付いたのだ。
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