サンタの手袋?
「ショックだなぁ〜あんなに意気投合したのに。ま、よくあることだよね。気にしないで。」
僕は出まかせに言った。
「ガムテープ……そういうのが好きなの?お兄さん。」
「あ〜………うん?」
僕は半ば自棄になりながら答える。
女は暫く何かを考えているようで、斜め上の方を見つめていた。
「じゃあ、仕切り直しね。」
そう言って、上目使いで僕を見つめた。そして目深に被ったウィンドブレーカーを脱がせようと手を伸ばす。咄嗟に女の手を払う。
予想に反し、怒る様子もなく、女は余裕を含んだ顔で笑った。
「私、臭うよね。煙草とか、お酒。シャワー浴びようかな。」
そう納得したのか、彼女はすっと、立ち上がり、バスルームへ向かった。
女がシャワーを浴びてる隙に逃げよう。その思いを見透かすかのように、女は言った。
「……でも、あなたも相当臭うよ。血の匂い。ぷんぷんする。ねぇ、サンタさん。」
僕は背筋が固まった。
やっぱりこの女は放っておけない。全部見られたのだと、確信した。
だが、この女は惚けて逃げることだって出来た筈だ。それなのに、どうしてぶりかえすようなことを言うのか。全部見ていたなら尚更だ。僕がどういう人間なのか、知っている筈だ。それなのに……
混乱する頭を揺すぶる。
「私ねぇ、ずっと待ってたのよ。私を終わらせてくれる人。一目見た時、あなただって確信した。ああ、この人なら何の迷いも感情も無しに私を消してくれるって。そう思ったの。」
面倒臭い女に引っ掛かった。自殺願望だと?しかも他人を利用した。報酬もなしに、何の得があってそんなことをしなきゃならないんだ。
面倒臭い。ひたすらこの女から逃げる方法を考える。
僕は出まかせに言った。
「ガムテープ……そういうのが好きなの?お兄さん。」
「あ〜………うん?」
僕は半ば自棄になりながら答える。
女は暫く何かを考えているようで、斜め上の方を見つめていた。
「じゃあ、仕切り直しね。」
そう言って、上目使いで僕を見つめた。そして目深に被ったウィンドブレーカーを脱がせようと手を伸ばす。咄嗟に女の手を払う。
予想に反し、怒る様子もなく、女は余裕を含んだ顔で笑った。
「私、臭うよね。煙草とか、お酒。シャワー浴びようかな。」
そう納得したのか、彼女はすっと、立ち上がり、バスルームへ向かった。
女がシャワーを浴びてる隙に逃げよう。その思いを見透かすかのように、女は言った。
「……でも、あなたも相当臭うよ。血の匂い。ぷんぷんする。ねぇ、サンタさん。」
僕は背筋が固まった。
やっぱりこの女は放っておけない。全部見られたのだと、確信した。
だが、この女は惚けて逃げることだって出来た筈だ。それなのに、どうしてぶりかえすようなことを言うのか。全部見ていたなら尚更だ。僕がどういう人間なのか、知っている筈だ。それなのに……
混乱する頭を揺すぶる。
「私ねぇ、ずっと待ってたのよ。私を終わらせてくれる人。一目見た時、あなただって確信した。ああ、この人なら何の迷いも感情も無しに私を消してくれるって。そう思ったの。」
面倒臭い女に引っ掛かった。自殺願望だと?しかも他人を利用した。報酬もなしに、何の得があってそんなことをしなきゃならないんだ。
面倒臭い。ひたすらこの女から逃げる方法を考える。
感想
感想はありません。