SNOW DROP〜初恋〜
−相川柊
そこにあったのは、聞いたことのあるような、ないような…
そんな名前。
「誰だっけ」
同じクラスらしいし、顔を見たら思い出すかな。
ただ、クラス全体の名前を見て思ったのが、知っている人が少ないということ。
6年生の時に仲良しだった子とは同じクラスになれなかった。
何年ぶりに同じクラスか、という子の方が多い。
お父さんと別れ、教室に向かおうと上履きを出した時−
「もしかして…杏チャン?」
後ろから声をかけられびっくりしていると、
「やっぱり!杏チャンだぁ☆アタシ、リサコだよっ♪元小一緒なんだけど…知ってるかな?一年間よろしくねぇ☆」
声をかけてきたのは、
元小が一緒だった、リサコ。
通称・不登校女。
リサコとは元小は一緒だったけど、同じクラスには一度もなったことがなかった。
リサコはある日イジメが原因で不登校になったと聞いた。
卒業式まで来なかったから、中学に来るとは…驚きだ。
「知ってるよ!リサコチャンだよね?こちらこそよろしく☆」
お互い軽く自己紹介をすませ、教室まで一緒に行くことにした。
「よかったぁ、杏チャンがいて☆アタシ知ってる人いないから、不安だったんだぁ」
「あ、あたしもそう思ってた☆」
「マジかぁっ!」
2人で笑いながら教室に向かう。
杏には、なにもかもが新鮮に感じた。
教室に行くと、ほとんど全員のクラスメートが席に着いていて、びっくりした。
残念ながら、リサコとは遠い席。
席に着いて真っ先に探した人は−
相川柊。
彼は1番前の席に座っていた。
すると、相川柊と視線がぶつかった。
ねぇ、柊。
あたしはすでにこの時から運命感じちゃったよ。
あたし自意識過剰だからな…
柊はどう思いましたか?
あたしのこと、どう思っていますか?
柊の本当の気持ちが知りたいよ…
お願い、柊。
お願いだから答えて。
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