セピア
雲01つない快晴な空、どこまでも青々しく広がる。
空は青い
「青いのか、あれ。」
思わず呟いた言葉は、紛れもない本心である。
昼下がりの教室、燦然と煌めく太陽が、やけに鬱陶しかった。
雲がない晴天は、あまり好きではない。雲の白さがあってはじめて、空の色が綺麗に鮮やかになる。
「青…紫?…なんか違う。」
窓の外を見つめ眉を寄せる。空の色は青色だなんて、誰が決めたのか。あれは本当に青なのか、言うなれば薄紫にだって見えなくもない。青と紫の中間である。
だからといって青紫と形容して良いかというのも考えものだ。
やーめた、
考えてもわからないものはわからない。空の色を何色と形容しようとも、あの色に変わりはない。空は空だ。
安直に自己完結を済ませば、大きな欠伸をもらした。
ぽかぽかの陽気に、脳は体に絶好の昼寝日よりだと告げる。自分の欲望には忠実に生きるって決めてるんだ、陽気が悪い。
回転の遅くなった頭で適当に言い訳をする。誰に宛てたものでもない。言うなれば自分の理性に向けられたそれである。
腕を枕がわりに机へと突っ伏す。
最後に見た空は、やはりなんとも形容し難い色をしていた。
(セピア*01)
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