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精霊召喚-2

[1506]  ハッタリ野郎  2005-02-28投稿
 そのいじめの手口は様々で、学校側でも全てのいじめを把握できているわけではない。ひどい有り様だが、こんな学校ならもっと他にもあるだろう。なのにどうして精霊は目の色を変えてまでこの学校を見ているのだろうか。精霊が注目しているものは一体何なのか。
 この中学校のいじめの問題は深刻になりすぎている。もはやそれは学校内だけにとどまっていない。さらに、これ程ひどいいじめの中で特にひどいのが女子のいじめだ。まるでたがの外れたとんでもないいじめ、このいじめを受けた者の中には突然行方不明になる者もいる。しかし、最近その者が突然帰ってきたのである。その顔つきは失踪前と少し変わっており、特に変わっているのが性格だったりする。精霊の恐れるものはこの帰ってきた失踪者だったりする。
 ここは学校の中で人の目に付きにくいところ。まあ、そんなところは学校中にあったりするのだが、ここは学校の中でも余計に暗い場所。放課後、日が落ちてくるとますます暗くなる。するといつものようにいじめが始まる。あってはならないことなのだが、もう誰も手の打ちようがないのである。相手は3人以上がほとんど。この時は女子生徒4人と男子生徒1人の、計5人だった。この内の男子生徒の名前は疋田津名。この学校の中でも特にひどいやつである。常にリーダー的な存在で周りに指示を与える。こんな奴らの対象は女子生徒1人、集団リンチという言葉が頭をよぎる。このとき対象になったは行方不明から帰還した生徒である。名前は照塚美佐代。この子を見たとたんに精霊の目つきが変わった。何かが起こるみたいである。
 5人を目の前にしてその子はかすかに笑っているようにも見えた。
「あんた、何がおかしいの? 行方不明になって、有名人になったつもり?」
いじめる側の女子生徒の1人がそう言っていきなり美佐代を蹴っ飛ばした。
「おい、もっと楽しみながらやろうぜ。前よりもっとひどくしてやるんだ。」
津名がそう言って笑みを浮かべた。それは魔物のような不気味な笑みだった。
「そうよね、そのために今日はいろいろ道具そろえたんだもんね。」
別の女子生徒がそう言うとかばんのふたを開けた。中には本当にいろいろなものがそろっている。

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