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かげろう

[213]  中二渦駆  2010-01-08投稿
人は生き続ける
ベッドシートの海底に
ゆっくり命が降り積もって
少しずつ僕が出来る

天国行きの列車で
そこに着くまでの幾分かの暇を
幾つか恋に充てたりした



季節風の湿り気が
僕の汗と混じって
薄い褐色の肌を伝う

まだ僕がピーターパンの国の真ん中にいた時だった
一つの恋をした
それは赤道の国々の太陽のような身を焦がすものではなく
それは雑念が疾風怒濤の洪水の如く私を飲み込むものではなく
“ただの”恋だった
良く目を凝らさなければ消えてしまいそうな
“ただの”恋だった


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