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ある愛の表し方・4 木村蜜実

[464]  木村蜜実  2010-01-09投稿
何度もキスをして…
何度も愛撫されて…

「好きだ」と囁かれて…

私は…
今まで感じた事がない愛情をもらった気がした。

私は
「愛してる…。」
と呟いた。

でもカレは…
愛してるとは言わなかった。

ただ…
「好きだ」としか言わなかった。








「愛してるって…言ってくれないんだね…。」
私はカレの腕枕の中、そう呟いた。

「そんなこと言ったら、本気になるだろう?」
(もう…本気なのに…。)
止まらない想い…
カレ自身、どう考えているんだろう…。

胸の高鳴りは多分、カレに聞こえているにちがいない…。

「…それだけなの?」

「それだけだよ。本気になられても困る。」
その言葉に胸が苦しくなった。

「困る?困るなら、なんで私といるの…?!」
カレを叩いて泣き叫ぶ。

「好きだけど…一緒にいたいけど…君には俺じゃなく、もっと別の人としっかり付き合ってもらいたい…。俺はそれまでの付き合いしかできない…。」



そう…
そうだった…。

私が次に愛する人が出来るまでの…

『期間限定』

カレは既婚者…。




私は…
どう頑張っても…

カレとは永遠に一緒じゃない…。

そんな現実を突き付けられた私は…

涙が自然とこぼれた。

「泣くなよ…そうゆう約束だったろう?」

私は頭の中が真っ白くなった…。

真剣に…あなたを愛してるんだよ…。

その言葉を言いたくて仕方なかった。

でも…
言ったら…
カレが困る…。

「そろそろ帰るよ…。もう泣き止んでくれ。頼むから。」
そう言って、服に着替える。

私は呆然と一点を見つめていた…。

「また来週…。」
私の頬にキスをして出て行く。

カレの後ろ姿を見て…
また涙…。

一人にしないで…。
側にいて…。

それを言えないもどかしさが…

つらい…。

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