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ノラ猫のワルツ-?-

[259]  †麗那†  2010-01-10投稿
■始まりの鐘■

…ピピピピピ…
目覚ましの音だけで目が覚めたのは初めてだった。
部屋に入り込む日差しは朝を告げている。
真奈はゆっくり起き上がってカーテンを開けた。


―今日は高校の入学式。

だからだろうか。
何かが決まっている気がする。
別に世界が輝いて見えるとか甘ったれた事じゃない。
でもだからといって人生に失望してるわけでもない。
ただバカらしいだけ。
“友達”ってモノがね。


「真ー奈ー」
スリッパの走る音がだんだん近づいていてくる。
勢いよく開いたドアから顔をのぞかせたのはお母さんだった。
「あー起きてたの」
「あのさ、ノック。いつもいってるよね」
真奈は新品の制服に袖を通す。
うん、新品らしい鼻につくにおい。
「結構イケてるじゃん」
「…ども」
鏡に写る自分はあまりにも無愛想で見てて殴りたくなった。


朝ご飯もそこそこに二人は車に乗り込み、入学式が行われる学校へむかった。

式が終わってからクラス分けされたプリントを眺める。
「一年C組…」
C組とか微妙…。
とにかく教室へ向かう。
教室にはたくさんの生徒がいた。

―…人が怖い。

そう思うのは可笑しなことなのだろうか。

中学2年の時、生まれて初めてイジメにあった。
それからは人に対して恐怖をおぼえるようになった。


高鳴る心臓をおさえ、ノブに力をこめる。
静かにドアを開けそそくさと自分の席につくと一気に力が抜けた。

しかしそれは一瞬だけのこと。

その問題は隣の男子だった。
茶髪や金髪の規模を明らかに超している

鮮やかなピンク色。

「―…。」
真奈は思わず言葉を失った。
嘘じゃん?
ピンクて…。
頭の中には同じ言葉がグルグルと回りだす。

…よく見たら口にピアスあいてるっ!耳のピアスも半端ないなぁ…。

…あっ…。

「何」

まずい目があったっ!

焦る真奈の目と、ガンをとばす男子の目が空中で激突していた。

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